第23話 先生方の陥落
文字数 1,373文字
それなのに、フォレスチ先生は陥落した。
彼は、プリンスの想像のお話に、気長に付き合っている。寝る前に二人で、「プリゾナー・ローローごっこ」も、やっているようだ……。
彼は、プリンスと一緒になって、シェーンブルンの庭園に、「ロビンソンの小屋」などというものを造っている……。
ロビンソンはダメだと言ったのに……。
ナポレオンは、ロビンソン・クルーソーごっこをしていると言った者もいるのだぞ?
とはいえ、遠いパルマで、マリー・ルイーゼ様もご心配なのだろう。
母親とは、ありがたいものだ。
だからプリンスには、「子としての、母への感謝の気持ち」について、説教しておいた。
とうとう、この日が来た。
プリンスの長い髪を切るのだ!
随分伸びて、後ろで束ねてある。
なにしろ、カールする者がいなくなってしまったからな!