ユートピアとは何であろうか?

文字数 1,159文字

 ユートピアとは何であろうか?

 文章を描いている時か? 音楽を聴いている時か? 友と何気ない会話をする時か?

 或いはスマホのカメラを片手に自然を写している時か?

 自然は良い。自分の心を癒してくれる。

 夏の沈む太陽を写すのが好きだ。旧約聖書のゼカリヤ書の一節を思い出す。

 但し、よく判っていないのが日本語訳聖書はどちらの時間軸を採用しているのかという疑問である。イスラエルの民にとって一日の始まりとは夕暮れからと聴いている。しかし、日本語の聖書を読むとどうも日本人の感覚に合わせて翻訳しているのではないかと感じる時がある。イエス・キリストが昼の光について言及している時、原文はどうなっているのか気になる。この時刻はイスラエルの世界観で語られているのか。それとも親切に日本人の感覚に合わせて翻訳して下さっているのか。

 そうかと言ってコイネー・ギリシャ語やヘブライ語の聖書は逐一解読出来る訳ではない。

 ここで能書きを垂れるより調べた方が早いであろう。

 しかし、人とは何処か鈍感なもので肝心の調べなくてはいけないものを調べないままにするものだ。

 ネットがあるから気軽に調べられる時代になったものの図書館に籠もる時代であれば間違いなく徹夜である。
 聖書の数ある中でも時間軸に関する答えは比較的難易度は低い。調べようと思えば一日でこと足りる。

 しかし、哀しいかな。社会人になると忙しいを理由に全ての肝心なことを後回しにしてしまう。
 無論、生活費あっての人生。家族を養ってこその人生である。家族から如何なることを言われようとも生活費は捻出せねばならない。

 想うに私達は肝心なことに鈍感でどうでも良いことに過敏になりすぎる嫌いがある。

 私達はあまりにも考えすぎて感じなさすぎる。

 自然を前にしている時、否応なく厳しさと優しさの二つの側面を感じさせられる。自然は厳しい。人の管理が行き届いていない場所は怪我をすることがある。同時にその光景に圧倒される。

 未だ撮れていないが、冬場の自然を写したいと思う時もある。雪の中で燦燦と輝く太陽の何と神秘的な美しさであろうか。この様な壮大な場所を創造した者とは如何なる者であろうか。

 この壮大な景色を前にした時、私は初めてこの威厳を通して創造主を讃えよう。どれ程の研鑽を重ねようとも人類には未だ造れないものは多々ある。太陽もその内の一つではないか。

 この残酷な世界に産まれたことを恨むこともある。

 しかし、それ以上に世界は美しい。私達はこの世界があまりにも当たり前過ぎて鈍感になっていないか。世界に自然があるのは奇跡なのだ。地球があること自体が奇跡なのだ。

 これ程のユートピアが存在するであろうか?

 そして、私はスマホのカメラを片手に。

                           <完結>
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