Alternate

文字数 403文字

強めの日差しが差す部室 弁当をかき込みながら
来月のライブの曲をWalkmanでリピートする
両手で抱えたギターが、溢れる音をたしなめるようにF#で鳴る

飲みすぎた酒をお茶で濁しながら
ふらり、かつての母校の前を通りすぎる
片手には煙草が、湧き出る感情を誤魔化すように紫煙を上げる

無謀な夢を語り合う ストラトについた傷を撫でながら
泣き言を揉み消す それが勲章だと知ってるから

無理無く日々をやり過ごす 痛む首を撫でながら
泣き言を飲み下す それが最適だと知っているから

知らない町にも行った 買ったばかりの自転車がガタガタと吠える
そして眼前の景色、この高揚感だけをステージの上で見せつける

知らない道が増えた 潰れた商店のシャッターがガタガタと泣く
それでもかつての母校、あの部室の窓だけは今でもすぐに見つけられた

きっといつか色んなことが上手くいく それを確信している

きっといつか色んなことが上手くいく それに縋って生きている
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み