16:もはやコントだ!ブラック・スプラッタ・コメディ『ツイてない男』

文字数 3,353文字

きゃるんっ! 映子だよー!
きゃるんっ! 芸夢でーす!
いやー、前回ラストの恋美ちゃんは素晴らしかったね。
決めゼリフ言い終わった直後に
顔を真っ赤にして走って逃げちゃったからねー
あれはビデオに撮っておくべきだった。
いやー、惜しいことをしたよ。
いや、果たしてそうと言い切れるかな!
なにっ、どういうことだね!
確かに前回の恋美ちゃんは可愛かった。それは認めるよ。
だけど、半ば強制的に言わせたセリフに
そこまでの価値が果たしてあるのかな?
彼女の心にはッ! 雨が降っていた!!
な……んだと……
どうせなら私は青空が見たい……
なぜならば、その方が美しいから。
私は……間違っていたというのか……
人は失敗する生き物だけど、
同時に失った物を取り戻すこともできるんだよ。
芸夢先輩……
ということだから次は恋美ちゃんをおだてて
ノリノリでやらせるよ!
あと、ちゃんとビデオは用意しておいてね!
あいさー!
さて、それじゃ前置きはこれくらいにして、
そろそろ本番始めようか。
うん。今日は『ツイてない男』って映画を紹介するよ。
ツイてないってことは女の子なのかな?
その"ツイてない"じゃないよ!
そっちはちゃんと付いてるから!
じゃあ何がツイてないのー?
この映画の原題は『BOTCHED』って言うんだけど、
「しくじった」って感じの意味みたいだね。
要するにアンラッキーの意味の「ツイてない」だね。
なるほど!
スプラッタなコメディってあんまり聞いたことが無いし、
期待できそうだねー。
それじゃまずは予告編(You Tube)をどうぞ。
いつものように英語なのは許してくださいな。
こ、これはなんというか……
確かにスプラッタなのに、至る所にコントっぽさが見えるね。
なんとなく雰囲気がわかってもらえれば大成功かな。
それじゃあらすじ紹介いくね。
――あらすじ――
主人公は窃盗犯のリッチー。
ある日、いつものように宝石を盗みだしたリッチーは
車を走らせていたんだけど、不慮の事故によって大失敗。
一緒に車に乗っていた仲間は死ぬし、
宝石は道に落としちゃって台無しになってしまう。
序盤からツイてないねー。
さて、そんな大失敗をしたリッチーに、
ボスが最後のチャンスをくれるんだ。
「モスクワにある高層ビルから十字架を盗んでこい」
今まで世話になったボスになんとか恩返しをしたい。
そう思ったリッチーはこの最後のチャンスに賭けることにする。
律儀だね! リッチーだけに!
え、何? 聞こえない。
…………
それで、このモスクワビルの仕事に取り掛かるにあたって
リッチーは、ピーターユーリという兄弟と手を組むんだけど……
とにかくこの2人が壊滅的に役に立たない!
特に兄のピーターは自己中心的で、彼がビルの女性を
殺してしまった為にリッチー達は撤退を余儀なくされるんだ。
まぁ、ホラー映画ってそういう人が多いよね。
物語を動かすには重要なんだろうね。
ちなみに予告編の1分31秒の男が兄のピーター。
1分37秒で走ってる男が弟のユーリね。
で! 逃げる為にエレベータに乗り込んだはいいけど、
他に乗っていた客に、兄弟のせいで犯行がバレる。
さらにエレベータは謎のフロアで停止してしまうんだ。
ツイてない!
そんでもってこのフロアには殺人鬼が潜んでいるからさぁ大変!
リッチーや兄弟の他にもクセのある登場人物たちが盛り沢山。
はたして、彼らのうち何人くらいが生き残るのだろうか!
もう、何人か死ぬことは前提なんだねー。
まぁ、そこはもう隠す必要はないかなって。
予告編の時点で1人は首が飛んでるし(1分17秒)
確かにそうだね。
1分51秒とかでも帽子の人が手首切られてるし。
そういうところも細かく「ふふっ」って笑える場面が多いから
これから観る人はぜひとも楽しんでほしいかな。
では次は「魅力」のコーナーにいってみましょー。

――ツイてない男の魅力――

コント!!
ど、どういうこと?
予告編の後に芸夢先輩が言ってたけど、
本当にコントみたいなんだよね。
だからドリフとか好きな人はかなり楽しいと思うよ。
えー、でも流石にタライが落ちてくるとかじゃないんでしょ?
あー、まぁ流石にそういうのではないかな。
でも内臓は落ちてくる。
お茶の間も凍りつくね。
イメージ的に一番わかりやすいのは、
予告編の2分15秒のところかな。
これ、よくある「扉を蹴破る」を実践しようとしてるんだ。
あははっ、それは恥ずかしいなー。
他にも登場人物達のクセがいちいち凄くて、
スキあらば笑わせにくるから油断できないんだよね。
さらに音楽のセンスも最高なんだよね。
明らかに緊迫する場面なのにいきなり――とかあるし。
んー、かなり面白そうではあるんだけど、
やっぱりスプラッタとコメディの組み合わせがピンと来ないなー。
ちゃんと調和するのかな?
そうだねー……コメディ+スプラッタの有名所だと
ショーン・オブ・ザ・デッド』とかが有名かな?
あと『ゾンビランド』のビル・マーレイ邸のあたりとか近いかも。
どっちも観たことないよ!
えー。ショーン・オブ・ザ・デッドとかゾンビ初心者向けだよ?
あとはノリが近い所で言うと
タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』かな。
これが楽しめる人は『ツイてない男』も絶対オススメできる。
またツイてないの!?
それはどういう感じの映画なのかなー。
えっと、簡単に言うと
「主人公は良い人なのに、若者集団に殺人鬼だと勘違いされる」
って映画なんだけど、
若者Aが突撃して、主人公は全く気づかずに偶然避けて、
若者Aはそのままウッドチッパーに頭から突っ込んでミンチ。
コント!!
イエス! コント!!
ただ、『タッカーとデイル』は凄く丁寧にまとまってて、
『ツイてない男』は荒々しい印象があるかな。
例えるなら、ベテラン芸人と若手芸人。
どっちにも良いところがあるってことだね。
そゆこと。
――まとめタイム――
いやー、凄く純粋にスプラッタ映画の話ができて満足じゃ。
ファイナル・デスティネーションの時は?
あれはまた系統が違うかな。
確かに死に方を楽しむ系スプラッタなんだけど、
その中でもストーリーの重視度が違う感じ。
映子ちゃんはストーリーに力が入ってない方が好きだったり?
いやいや、決してそういうことじゃないよ。
ただ……たまに観たくなるんだよね……
頭を使わずにボーッとできる映画がさ……
そ、そんな人生に疲れたサラリーマンみたいな……
へっ、どうせ私なんて社会の歯車なのよ……
たった1足の靴が挟まっただけで動きを止めてしまうのさ。
あ、学校の怪談?
正解! 2ね。
『学校の怪談2』面白いよねー。
子どもたちもお化けも個性豊かだし、
大人役の人が泥棒っていうのも好きー。
ほかのシリーズもそれぞれに魅力があるんだけど、
2が一番上手に作られてる印象はあるよね。
昔、2のラストのあの大きいヤツがトラウマだったんだー。
顔がベリベリ剥がれて凶悪な顔になるのね。
子供向けの映画にしては過剰に怖いよねアレ。
1のクマヒゲさんの眼鏡とか未だに気持ち悪いよ。
そんな、お化けの怖かった私も今では幽霊ですよ。
人生何があるかわからないよねー。
普通に会話とかできるからねー。
塩とかかけたら成仏するの?
や、やめてよ……!
まだこの世に未練たらたらなんだから!
あははー、冗談冗談。
まったくもう……
それで次回はどんなジャンルの映画を紹介するの?
んー、そうだなー。アニメとか?
ドラえもん?
いやいやいや! ドラえもん好きだけどさ!
多分、ドラえもんとかクレヨンしんちゃんの映画は
紹介しないと思うよ。
えー、なんでー?
だいたいみんな知ってるだろうから。
私はパラレル西遊記夢幻三剣士が好き。
私は雲の王国海底鬼岩城、あとは銀河超特急が好き!
ね? 簡単に会話が成り立つでしょ。
多分クレヨンしんちゃんも同じ。
おおう!
ということなんで紹介するのはそこそこ隠れてる作品だね。
次回予告ヒントは『キムタク』『レース』です!
多分わかる人はすぐにわかる!
木村拓哉さんは今度『無限の住人』やるねー。
どうせなら『ハルシオンランチ』の方が実写化してほしかったな。
どういう作品?
実写化が映えそうな作品かな。
詳しくは恋美ちゃんに聞いてみてね。
気になるから聞いてくるー!
早い! もう居なくなっちゃった!
では芸夢先輩が居なくなっちゃったので、
今回はこのへんで終わりにしますか。
次回もお楽しみにー。
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登場人物紹介

名前:映子(えいこ)

映画好きな女子高生。
「ホラー映画大好き! だけどスプラッタ系が専門。
 だって和ホラーは怖いんだもん……」

名前:恋美(こみ)

映子の同級生で親友。映子ほどは映画を観なくて、どちらかというと漫画を読むのが趣味。でも変な映画を知ってたりする。
「特に好きなジャンルとかは無いけど、比較的ラブコメとか好みね」

名前:芸夢(げいむ)

突然現れた高校3年生。映子たちの先輩。
実は幽霊だけど、特に設定が活かされることはない。
ゲームが好きで、映画知識は恋美ちゃん以上映子ちゃん未満。
「映画はあんまり詳しくないけどがんばりまーす! 応援してねー!」

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