セイバンのランドセルが欲しかった

エピソード文字数 291文字

「ねえねえ、とーちゃん。どうして、ぼくにみんなと同じセイバンのランドセル買ってくれなかったの?」
「そんな高いランドセルなんか買えるかよ!」とーちゃんは怒鳴った。「みんなと同じじゃ個性がねえ――これで充分だ」
 そもそも、昭和のプロレスゲームオタクのとーちゃんに頼んだのが間違いだった。
 あの時、おじいちゃんとおばあちゃんにおねだりすればよかった。
 後悔先に立たずとは、こういうことを言うのか……

 翌朝、安物の灰色のランドセルの表面には、なぜか鉄仮面を被った男のシールが貼り付けてあった。
「とーちゃん」
「あっ、なんだ」
「この人、だれ?」
「ヒットマン・セイバー」

 
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