北条 瑠華《ほうじょう るか》 二
文字数 660文字
「今日から、ここが瑠華の家。私たちが、瑠華の新しい家族だからね」
ドラマでしか聞いたことがないような言葉が、まさか自分に向けられるなんて思ってもみなかった。
すべてにおいて不慣れな環境になった。初めて住む地域、学校も変わったし、友だちも遠く、離れ離れになった。
そんな環境で、
自分の殻に閉じこもる日々。
叔父さんと叔母さんには、二人の子どもがいた。私より年下の男の子だ。二人の方が可愛いんだろう。それは当たり前だし、そういう態度を敏感に感じ取っていた。
中学に上がって、学校もまともに行かない不登校の生徒になった。やがて、家にも帰らなくなり、友だちの家を泊まり歩く日々が続いた。
私の居場所は、あの家じゃない。はっきりと、そう感じ取っていた。
友だちと夜中にたむろしたり、ライブハウスやクラブに出入りしたりした。
悪い誘いもあったりした。クスリとか、売春とか。それははっきりと断った。でも、危ない入口はすぐそこにあった。
それを実感した出来事があった。
深夜に町を歩いていると、大柄で色黒の男に声を掛けられた。無視していたけど、あまりにしつこいから、肩にかけてきた手を振り払った。
男は逆上して、私を人気のない場所に引っ張っていった。
暴行を受けて、抵抗が出来なくなった私の身体を、その男は無作法にまさぐった。
こんなことしてるから、バチが当たったんだ。
諦めかけたその時に私を助けてくれたのが、澤木 大吾 だった。
ドラマでしか聞いたことがないような言葉が、まさか自分に向けられるなんて思ってもみなかった。
すべてにおいて不慣れな環境になった。初めて住む地域、学校も変わったし、友だちも遠く、離れ離れになった。
そんな環境で、
自分
を保てるほど、当時の私は強くなかった。自分の殻に閉じこもる日々。
叔父さんと叔母さんには、二人の子どもがいた。私より年下の男の子だ。二人の方が可愛いんだろう。それは当たり前だし、そういう態度を敏感に感じ取っていた。
中学に上がって、学校もまともに行かない不登校の生徒になった。やがて、家にも帰らなくなり、友だちの家を泊まり歩く日々が続いた。
私の居場所は、あの家じゃない。はっきりと、そう感じ取っていた。
友だちと夜中にたむろしたり、ライブハウスやクラブに出入りしたりした。
悪い誘いもあったりした。クスリとか、売春とか。それははっきりと断った。でも、危ない入口はすぐそこにあった。
それを実感した出来事があった。
深夜に町を歩いていると、大柄で色黒の男に声を掛けられた。無視していたけど、あまりにしつこいから、肩にかけてきた手を振り払った。
男は逆上して、私を人気のない場所に引っ張っていった。
暴行を受けて、抵抗が出来なくなった私の身体を、その男は無作法にまさぐった。
こんなことしてるから、バチが当たったんだ。
諦めかけたその時に私を助けてくれたのが、