あ、ホントだ

文字数 1,391文字

「ねえ 明日香。」

「どうしたの 紀乃」

「来月の13日って、恭子の誕生日だよね」

「あ、ホントだ」

「─ 皆で、サプライズパーティ してあげない?」

「お、良いかも♪」

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 最近、私の前での友人達の言動が 微妙におかしい。

 何かを隠している気がする。。。

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「ねえ 明日香──」

「どうしたの 紀乃」

「来月の13日の件なんんだけど…」

「─ 声が大きい。」

「え?!

「気付かれたら、どうするの!」

「でも…恭子はまだ、登校して来てないし……」

「<壁に耳あり障子に目あり>って言うでしょ!!

「…」

「バレたら、サプライズが台無しなんだよ!?

「……ごめん。気をつけるぅ」

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 朝の学校の廊下。

 開いた教室の入り口から漏れてきたのは、明日香と紀乃の声。

 もう半歩で扉前と言うところで、私は足を止めた。

 気付かれないように、素早く教室から離れる。

 来月の13日は私の誕生日だ。

 あと、サプライズがどうとか言ってた。

 どうやらふたりは、私の誕生日に何かを計画しているらしい。

 今までの言動がおかしかった理由は 多分これだ。

 それを踏まえて…私はどうすべきだろう……

 廊下を歩きながら考える。

(当日まで、気が付かないフリをしよう。。。)

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「…ねえ 明日香?」

「どうしたの 紀乃」

「例の日の事なんだけど…」

「しっ。」

「恭子なら、職員室に行くって教室を出たのを確認したから、大丈夫だって」

「で、何?」

「サプライズの件、恭子って…気が付いてるけど 気が付かないフリ、してない?」

「そんな感じが、しなくもない」

「─ どうするの??

「私達も、気が付かないフリをする」

「は?!

「ここまで来たら、もう後には引けないでしょ?」

「まあ、そうだけど──」

「だから、仮に恭子が 気が付いてるけど気が付いてないフリをしているとしても、私達はそれには気が付いてないフリをして、準備を続ける!」

「。。。」

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 最近、私の前での皆の言動が、輪を掛けておかしい。

 もしかすると例の件に関して、私が気が付いていて気が付いてないフリをしている事に気が付いて、その事に気が付かないフリをしているのだろうか?

 直ぐにでも、訊いてみたい衝動に駆られる。

 が、ここで迂闊な事を言って全てをぶち壊す根性は、私にはない。

 数日経てば、嫌でも真相は判る。

 ここは サプライズに関して、私が気が付いていて気が付いてないフリをしている件に、皆が既に気が付いているが気が付かないフリをしている事に、私も気が付かないフリをするしかない──

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「ねえ、恭子♫」

「どうしたの 紀乃」

「今日、誕生日だよね♪」

「え?! 明日香? 何?!

「「「おめでとー」」」

「み、皆揃って 一体…」

「今から、あんたの誕生日のお祝いを す・る・の♡ 」

「恭子、驚いた?」

「う、うん。私……全然………気が付かなかった…………」

「「「でしょ??」」」

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─ 無事にサプライズが成功して、良かったぁ ─
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