アクマ
文字数 1,259文字
オマエは四年B組の教室に一人でいる。
休み時間なのか、誰も教室にいない。
教室に帰ってきた同級生が、オマエに何か言っているが、聞き取れない。
一人の子が何か言うと、他の子がそれに合わせて笑っている。
どうやらワタシは、みんなからいじめられているらしい。
教室に同級生が全員戻ってきて、次の授業が始まった。
算数の授業で、先生がワタシに回答を書けと言ったので、黒板に進み、白いチョークで答えを書いた。
それは昨日、先生から個人的に習ったばかりの問題で、よく覚えていたから簡単に書けた。しかしその答えは、先生がワタシに教えた嘘の回答だった。
すると教室中の同級生がワタシに向かって、「バカ」「アホ」「トンマ」等、罵声を浴びせかけた。
ワタシは立ちすくんだまま先生に救いを求めたが、先生は助けるどころか、「本当に、マヌケな野郎だ」と言って、そのまま廊下に立たされた。
オマエは廊下に立ちながら泣いた。その日、一日中廊下に立たされていた。
気が付くと窓の外は暗くなっており、学校に残っているのはオマエ一人だけだった。
オマエはあまりに悲しくなって、屋上から飛び降りて死のうとすると、突然アクマが目の前に現れて、「これを飲め」とビンに入った錠剤をくれた。
「これを一錠飲むと、いじめているヤツを、念じて殺すことが出来る。ただし、薬の効果は一日だけだからな」とアクマが言った。
ワタシは次の日の朝、錠剤を一錠ポケットに入れて学校へ行った。一時間目の授業が終わり休み時間になると、さっそくワタシへのいじめが始まった。
ワタシは錠剤を飲み込んだ。いじめの主犯格のケンジが蹴ってきたとき、「死ね」と念じた。するとケンジは突然苦しみ始めて、あっという間に死んでしまった。
学校中大騒ぎになった。クラスのみんなが、ワタシの責任のように言った。相変わらず担任も一緒になってワタシを攻めようとしたので、「死んでしまえ」と念じたら、あっさり死んでしまった。
オマエには目の前で起きていることが、何か他人事のように感じられた。
担任が死んだことにより、当面は教頭が変わりに、オマエのクラスを受け持つことになった。そのことによって、多少オマエへのいじめも軽くなってきた。
オマエは錠剤の賞味期限が、一年と書いてあったので、次から次にいじめっ子を殺してしまおうと思っていたが、段々恐ろしくなってきたので、薬を飲むことを中断していた。
しばらくすると、今度はワタシがいじめる側になっていた。
ワタシは殺さなくてもいじめ返すことで、今までの復讐を十分に果たせると思い、いじめを続けている。到頭いじめる側の主犯格になってしまった。いじめに快感をお覚えるようにさえなった。
ワタシは自分が直接いじめに手を加えなくても、子分を動かし、自在にいじめを楽しんでいる。もう自分の意志では、どうにもブレーキをかけられない。
ある日、いじめていた同級生の一人が自殺してしまった。
オマエはその時、はっとなって我に返った。
オマエはアクマになっていることに気が付いた。
休み時間なのか、誰も教室にいない。
教室に帰ってきた同級生が、オマエに何か言っているが、聞き取れない。
一人の子が何か言うと、他の子がそれに合わせて笑っている。
どうやらワタシは、みんなからいじめられているらしい。
教室に同級生が全員戻ってきて、次の授業が始まった。
算数の授業で、先生がワタシに回答を書けと言ったので、黒板に進み、白いチョークで答えを書いた。
それは昨日、先生から個人的に習ったばかりの問題で、よく覚えていたから簡単に書けた。しかしその答えは、先生がワタシに教えた嘘の回答だった。
すると教室中の同級生がワタシに向かって、「バカ」「アホ」「トンマ」等、罵声を浴びせかけた。
ワタシは立ちすくんだまま先生に救いを求めたが、先生は助けるどころか、「本当に、マヌケな野郎だ」と言って、そのまま廊下に立たされた。
オマエは廊下に立ちながら泣いた。その日、一日中廊下に立たされていた。
気が付くと窓の外は暗くなっており、学校に残っているのはオマエ一人だけだった。
オマエはあまりに悲しくなって、屋上から飛び降りて死のうとすると、突然アクマが目の前に現れて、「これを飲め」とビンに入った錠剤をくれた。
「これを一錠飲むと、いじめているヤツを、念じて殺すことが出来る。ただし、薬の効果は一日だけだからな」とアクマが言った。
ワタシは次の日の朝、錠剤を一錠ポケットに入れて学校へ行った。一時間目の授業が終わり休み時間になると、さっそくワタシへのいじめが始まった。
ワタシは錠剤を飲み込んだ。いじめの主犯格のケンジが蹴ってきたとき、「死ね」と念じた。するとケンジは突然苦しみ始めて、あっという間に死んでしまった。
学校中大騒ぎになった。クラスのみんなが、ワタシの責任のように言った。相変わらず担任も一緒になってワタシを攻めようとしたので、「死んでしまえ」と念じたら、あっさり死んでしまった。
オマエには目の前で起きていることが、何か他人事のように感じられた。
担任が死んだことにより、当面は教頭が変わりに、オマエのクラスを受け持つことになった。そのことによって、多少オマエへのいじめも軽くなってきた。
オマエは錠剤の賞味期限が、一年と書いてあったので、次から次にいじめっ子を殺してしまおうと思っていたが、段々恐ろしくなってきたので、薬を飲むことを中断していた。
しばらくすると、今度はワタシがいじめる側になっていた。
ワタシは殺さなくてもいじめ返すことで、今までの復讐を十分に果たせると思い、いじめを続けている。到頭いじめる側の主犯格になってしまった。いじめに快感をお覚えるようにさえなった。
ワタシは自分が直接いじめに手を加えなくても、子分を動かし、自在にいじめを楽しんでいる。もう自分の意志では、どうにもブレーキをかけられない。
ある日、いじめていた同級生の一人が自殺してしまった。
オマエはその時、はっとなって我に返った。
オマエはアクマになっていることに気が付いた。
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