第39話 シッキング・センス

文字数 3,926文字

 二本指が我が物顔で、濃い陰毛で覆われたユリアの陰部を出入りしている。
 しかも段々、出し入れの速度が上がっていく。
 グランの指責めは力強いが、技術力が突出している。
 陰部の奥にあるスポットに、器用に指先を引っ掛ける。
 さらに引っ掛けた指で、快楽のスポットを指先の腹でタップしてくる。

「うふぅん、ねえ、もうやめてぇん、
 お、お願い、やめてぇ、あっ、イイ!」

 指責めのあまりの気持ち良さに、よがってしまう。

「あっ、ダメ! ちょ、ほんとっ、ダメ! あああぁ!」

 美しいソプラノの悲鳴が室内に響き渡る。
 快感が一線を越えてしまい、ユリアの尿道が臨界に達する。
 尿道を、熱い液体が駆け抜ける。
 直後……

 ジョロジョロ!

 と、股間が独特の音を奏でる。

「あ、ま、待って! オシ、オシッコ漏らしちゃった!
 い、いや、オシッコしてるとこ見ないで!」

 立ち塞がる濃い陰毛を弾き飛ばし、勢いよく股から尿が放たれる。

 失禁しているユリアを見て我慢できず、ミンが武闘着を上下とも脱ぎ捨てる。
 さらにパンティを太腿の真ん中辺りに下して、自分の指で秘部をイジり始める。

「ほう、賢者のオシッコは少し黄色味がかっているのか。
 確かに透明な小便は、健康的でいい。
 だが俺は、この人間くさい色合いに(おもむき)を感じる」

 グランが腰を屈めて、秘部から噴き出る尿をジックリ堪能する。

「オシッコ、オシッコ……オシッコ、まだ出ちゃう……」

「いっぱい出せばいいだろう。全部出せばいいんだ。
 小便も自分の内面も、全てさらけ出せ。
 そこから始まる才能の開花が、イチネンボッキだ」

 そう言いながら、グランは秘部を指で弄び、放出される尿の形状を変えて遊んでいる。

「オシッコ……してるとこ……見られちゃった……」

 青い瞳から流れ出た一筋の涙が、ユリアの頬を流れ落ちる。

「それでいいんだ。
 今まで他人、特に俺に隠していたことを、全てさらけ出せ。
 それは、ただ気持ちよくなるだけじゃない。
 男に奉仕する牝奴隷になることは、女として生まれた人間の義務だ。
 しかも牝奴隷になる過程で、俺がたっぷり精子を注いでやる。
 だからお前は上等どころか、ニンチを超えて、世界一位の賢者になれる」

 世界一位。
 その言葉に、尿を出し終えたユリアが心揺れる。
 ガニ股のまま、陰毛から尿のしずくを垂らして。

「お前は、賢者というジョブに(とら)われ過ぎだ。
 もっと、自分らしく生きろ。
 そのために、自分に正直になれ」

 青髪に青い瞳。
 高く整った鼻梁とうっすらと紅が引かれた薄い唇は、賢者らしい知的な雰囲気を醸し出している。
 ゆるくウェーブがかかったセミロングの髪は、顔を動かす度に、頬にかかる。
 唇に絡みつくときもある。
 そんなときのユリアの顔つきは、全ての男を魅了するほど妖艶(ようえん)だ。
 そんな知的を顔をしながら、パンパンに張った巨乳と、色素が濃い大きな乳輪。
 その乳輪にそびえ立つ、吸いごたえのある乳首。
 さらに、尻穴にかかるほどの濃い陰毛。
 エロスの神に選ばれた女だ。

 そんなユリアは、ラント国に次ぐ大国・ドラガンで生まれ育った。
 父は偉大な黒魔導士で、母もまた優れた白魔導士だった。
 そんな二人の間にできたユリアは、賢者の才能を持って生まれた才女だった。
 父方の親族は、偉大な魔法使いの一族だった。
 だから賢者である自分の誕生は、一族全員から祝福された。

 巨大なドラガン国でも、その名を知らぬ者はいない偉大な魔法一家。
 そんな家族の生活は、順調だった。
 母が、淫売に堕ちるまでは。
 今になって思えば、母は元々、性に執着のある女だった。
 けれど、暗くて陰気な黒魔導士である父と結婚した。
 父はドラガン国で、黒魔導士としては珍しく高位にあった。
 そのせいで、注目の的だった。
 どの女が、彼を射止めるのか?
 女達の冷たい戦争が始まった。
 そして勝利国が、母だった。
 しかし母は、父のことを微塵(みじん)も愛していない。
 つまり母は、見栄っ張りだった。
 しかし性欲が強くて美しい母は、短小で早漏の父との性交に、不満を募らせていた。
 このことは、(のち)に母との最後の会話で、聞かされた。
 当時は、ただの言い訳だと切り捨てたが。

 母はその美貌と妖艶なスタイルで、貴族どころか、高位の司教と性行為に及んだ。
 司教がその権力で事実を揉み消さなければ、母は死罪になっていただろう。
 だが噂は流れてしまい、母は一族を追放された。
 ただし、母の不貞への罰はそれで終わらなかった。
 次は、ユリアが父を含めた一族全員や周囲から、冷たい目で見られた。
 容姿が、母に酷似していたからだ。
 淫売の娘と、陰口を叩かれた。

 自分自身も、体に流れる母の血が許せなかった。
 自分は決して、母のような淫売ではないのに。
 それを証明するため、必死に鍛錬を積んだ。
 その結果、世界ランキング二位のパーティメンバーに抜擢された。

 今日まで、世界ランキング二位の賢者に相応しい活躍をしてきた自負があった。
 なのに、父と同じ黒魔導士の前で、素っ裸でガニ股になっている。
 しかも、小便まで漏らしてしまった。
 そんな自分が恥ずかしく悔しく、(せき)を切ったように涙が止まらない。

「美しい涙だな。
 そして泣きながらも、まだお前は抵抗をあきらめていない。
 さすがは賢者だ。
 その高慢なプライドを、へし折ってやる。
 過去に何があったか、俺は知らん。
 だが、その過去に(とら)われたお前を自由にしてやる」

「アウッ!?」

 いつの間にか、グランが後ろに回っていた。
 そのグランに、尻穴に何か塗られた。

「スケベなお前をさらけ出すことで、お前は過去から自由になれる。
 そしてイチネンボッキで牝奴隷に堕ちることで、
 ポテンシャルが開花する。
 ニンチのジイさんなど、簡単に抜ける」

 話しながらも、グランは指で尻穴に何かを塗り続ける。

「……グラン、あなたの言うとおりよ。
 そう、私は世界最高峰の賢者なの。
 あなたなんかに、負けるものですか!」

 ユリアの目に、強さが甦る。
 素っ裸でガニ股になり、腕は頭の後ろで組まされている。
 デカい乳は、荒々しく愛撫された名残で赤くなっている。
 足元には、小便を吸収したカーペットの染みが生々しい。
 それでもなお、ユリアは抵抗を止めない。
 非奴隷であり続けようとする。

「頼もしいな。失敬、説明を忘れていた。
 お前の尻に塗っているのは、媚薬だ。
 俺のお手製だ。優れものでな。
 媚薬効果だけではなく、尻穴がよくほぐれるんだ」

「何て、はしたないこと、アッグウッ!」

 グランの人差し指が、尻穴に侵入してくる。

「ミンと違って、クソがついてない奇麗な尻だ」

 自分の名が話題に出たが、ミンは自分の秘部を指でイジるのに夢中だ。
 武闘家の集中力は、やはり尋常ではない。

 グランの指が早々に突き刺さっているので、媚薬特有の尻の辛さはない。
 それでも女体の神秘と言える最後の穴――尻穴を指で犯され、背筋が(とろ)けるほどの快楽が襲ってくる。

「グッ、ウウゥッ!
 ぬ、抜いて……私のお尻のあ……な、
 アッグウゥッ……ゆ、び、抜い、ギャウッ……て」

 ユリアの尻穴がほぐれ、グランの人差し指が根本まで埋まる。
 体内の腸全てを愛撫されているようで、ユリアは快楽の波に流されて漂流しそうだ。

「二本目の指も入るな。
 さすがは、勇者に次ぐエリートジョブの賢者だ。
 尻の穴までエリートだな」

「く、下らないこ……グギャゥゥゥッ!」

 グランの中指も尻穴に投下されると、媚薬の効果もあり、腸がグルンと一回転したかのような衝撃に襲われる。
 快楽の波は激流となり、ユリアを人から獣へと変えていく。

「尻穴への反応も、お前が一番いい。
 だが、まだ俺はお前の上下と前後の口、どれにもイチモツを入れていない。
 この程度で、心折れるようでは困る」

 ちっとも困っていない表情のグランが、ユリアの尻穴で二本指の出し入れを始める。
 
「ち、ちょ、オヒホー、ゆ、び、アグウゥン!
 動かさ、ギヤウン! ない、で」

 断固とした拒否の宣言と、獣の咆哮が入り混じる。

「前の穴が寂しがってるな。
 俺としたことが、配慮が足りなかったようだ」

 微塵も申し訳なさそうな顔をしていないグランが、二本指をユリアの秘部に突っ込む。

「ふうぅぅぅむぅぅんっ。そ、そんな事されたら……
 い、今、なら、あひぃん、指、を、ウグゥゥゥッ!
 抜いた、ら、あはむうぅ、み、見逃して、あひいん、あげる、から」

 それを聞いたグランは、吹き出しそうになった。

「落ち着けよ。まずは賢者らしく、キチンと分かるように話せ。
 それと、俺を見逃してくれる、か。
 ドラガン国の賢者様は、どこまでもプライドが高いようで」

 グランの皮肉は、ユリアの耳に届いていない。
 股間から、自分の全てを支配する快楽の激流が恐ろしい勢いと質量で這い上がってくる。
 それを何とか凌ぐので、いっぱいいっぱいだ。

 その快楽の激流はまるで、すぐ先の未来を予見しているかのようだ。
 ここカートンを攻める、いや、埋め尽くすブラムスの軍勢と戦うセレナパーティとグランを暗示していた。
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