第11話:福祉活動の芽生え

文字数 2,229文字

「三保さんが、お金持ちの慈善事業なら悪い事は言わない、やめた方が良い」と言った、その後、七郎が自分が6歳の時に家族全員が飛行機事故で亡くなった事を話した。
「その時の焦燥感、1人で食べていけないと言う不安などを話した」
「すると三保さんが、そんな辛い経験をしたのですか知らないで言い過ぎました」と謝った。

「三保さんが、恵まれない学生の寮を作り食事を提供してあげたらどうですか」と言い苦学生には同じビルで家庭教師または塾の講師をして自分で稼ぐ道も開いて上げたらと良い言った。つまり、苦学生のための寮と食事提供の2つなら実現可能だと思いますよと言ってくれた。三保さんが、ここ入間市、なんてどうですかと言った。快速で池袋まで40分、山手線の駅まで1時間、どうですかと言った。三保さんが価格の安い大型スーパーも近くにある。

 地価の安く都心まで時間以内のエリアですねと言いスマホで確認した。近くにコストコがあるし良いんじゃないですかと言った。それに対して七郎は良さそうなので、すすめて下さいと言った。土地建物でどの位とたずねた。土地323坪、建物1130坪で社会福祉施設と言う事で役所の市街化調整区域での建築許可もおりるはずだと言った。坪8万円として土地代で3千万円、建物1130坪で12億円、室内水回りエレベーターで7千万円、約13億万円位と言った。

三保さんが、こういう福祉施設は珍しいから施設が動き出したらマスコミや建設業界に発表して取材しないかと言っても面白いと言った。また備品「勉強机・椅子、ベッド、パソコン、ガスレンジメーカー」電機メーカー「冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ」、食器メーカー、文房具メーカー、トイレ、自動車メーカー、リース業界などに話して協賛依頼して無料で提供してもらうなんてアイディも良いと思うと言った。

夢と想像ばかりでは駄目なので、実際に三保さんが、うちで建設を任せてくれるという条件で詳細を詰めてきますと言い、それでいかがですかと聞いた。七郎が、それでお願いしますと言った。その後、途中経過を写真入りのメールで逐次、送ってくれた。入間市の市役所で相談した結果、市でも協力してくれると言ってくれた。地元の大きな農家で、いろんな仕事をしている木元一郎さんを紹介してくれた。

 道に面した農地を提供しても良いと言ってくれた、土地の広さは、350坪で、十分な広さであり、畑だった所なので、整地もしやすいと報告してくれた。入間駅、武蔵藤沢駅、三井アウトレットパーク、コストコまで車で5から10分、自転車でも15分の所で便利。電気、都市ガス、水道の引き込み費用が4百万円、地盤改良、アスファルト、外構工事で6千万円、全部で6400万円。

 KG建設の三保さんが、ここは日当たりも水はけも良いので、ここにしましょうと言った。そこで、お礼、挨拶かたがた入間の木元一郎さんに紹介してくれた。その後、市役所の関係者に挨拶に出かける事にした。数日後、三保さんが迎えに来てくれて、まず手土産を持参で木元一郎さんの家をたずねた。木元さんは恐縮して、わざわざ悪いねと言い、七郎に、あんた恵まれない人のために大金はたいて偉いねと言ってくれた。

 入間に来て、また何かあったら相談に来てよ、できるだけ協力するからと言い、握手をしてくれた。その後、市役所へ行き、今後の計画などを話した。恵まれない人達に対しての事業は市としても誇らしい。広報やインターネットで宣伝するつもりだよと市としてもありがたいと言ってくれた。最後に市長室へ案内されて市長と握手し計画を報告した。帰りに入間駅、武蔵藤沢駅、コストコまで車で回ってみたが、確かに近い。

 学生が自転車で駅まで行くのも早くて便利だと思われた。数日後、三保さんから正式な工事の図面、工期などについて、詳しく説明してもらった。できるだけ早く、着工して、工期は建物だけで6ケ月、機材、搬入、エレベータ、駐車場などで1ケ月の7ヶ月かかる様だ。土地の支払い、役所への申請の方も含めて、全て、三保さんの会社でやってくれるそうで助かった。土地が323坪で建物は5階建てで、延べ床面積1156坪で11億円。

 土地の値段2600万円、電気ガス水道引き込み400万円、地盤改良、アスファルト、外構工事で6千万円。その他予備費1千万円の合計1300万円を会わせると12億円と言う事で決まった。七郎は契約を交わして、その日のうちに三保さんのKG建設へ振り込んだ。寮の備品としてエアコン、机椅子、ベッド、布団48個分で500万円、調理室の調理器具で500万円。

 送迎用の10人乗りの中古ワゴン2台で400万円、全ての総合計で12.14億円となった。
七郎は七郎商会に戻って、数日後からインターネットを通じ今年の秋、10月から入居可能な格安の学生寮の募集「1室16m平米、3万円/月」を開始した。入居募集には、高校の成績表と合格した大学名、入居希望動機と両親の年収を書くような書式にした。

 すると男24室、女24室「計48人」の募集に対して1週間で200名「男女比、約半々」からの応募があった。応募があまりに多いので1ケ月で応募打ち切った。応募用紙から両親の年収と成績表、合格した大学名、希望動機を見て個性的で将来のビジョンを持った学生を中心に選択していった。1ヶ月で2000名「男女比、約半々」も応募が来た。そこで、優秀そうな学生を選んで、少数精鋭方式で選ぶ事にした。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み