プロローグ『砂の精の夢』

文字数 855文字

 丸い月がぽっかり浮かぶ街の中。
 子供はベッドに潜り込む。
 重たい(まぶた)がぐうっと下がって、次の時には夢の中。すうすう 優しい寝息を立てる。

 すると子供の体から、夢が飛び出てきた。壁をすり抜け、家の外へ。
 そこには他の子たくさんいて、みんなと一緒に歩いてく。
 先頭には、青い服着たお兄さん。海の色したお兄さん。
 お兄さんは楽しく歌う。

『 砂の精とは手を(つな)ぎ 丘を目指して歩こうか
 赤毛の道化は橋のもと 母親のろわれ汽車の中
 どんなに足掻(あが)藻掻(もが)こうと 僕の夢からでられない
 僕は輝く砂の精
あしたは誰と遊ぼうか つぎはどこへと歩こうか 』

 とっても綺麗なお兄さんの(うた)。とっても奇妙なお兄さんの詩。
 お兄さんは何度もその詩を歌うから、子供たちも一緒に歌いだす。

『 あしたは誰と遊ぼうか つぎはどこへと歩こうか 』

 みんなで楽しく歩いていると、急にお兄さんは立ち止まった。
 子供の首にさげられた輪っかのネックレスを指差して、「これはどうしたんだい? 」と聞いた。
 すると子供はにっかり笑って、「ママから貰った、お守りだよ」と。
 しかしお兄さんは笑わなかった。
 その時、お兄さんの頭の上から、赤い雨が降ってきた。
 それに驚いた子供たちは、一目散に駆けて行く。

 輪っかの首飾りの子供だけが、その場に留まり固まっていた。
 だって青いお兄さんが、首飾りに吸い込まれちゃったのだから。




  長いトンネルを真っ逆さまに落ちていく様な感覚に襲われ、男はベッドの上で()ね起きた。

 丸いステンドガラスから、月明りのみが差し込む薄暗い部屋。
 がたん がたん と振動するのは、ここが汽車の中だからだ。
 暗い部屋で、丸く縁取られた時計が、午前2時を指し示した。枕代わりにされている丸いクッションは、男の汗でびっしょりと濡れている。丸い地球儀は クルリ と(まわ)り、丸い鏡が部屋の主を映し出した。
「くそっ──また“アレ”の夢か……」
 鏡に映し出されたのは、赤い髪の男だった。
 男は額から大粒の汗を垂れ流し、丸いガラスのボトルから、水を一気に飲み干した。
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登場人物紹介

名前:リク

性別:女

年齢:14歳

身長:159㎝

趣味:読書、オカルト


好奇心旺盛な中学2年生

名前:シンイチ

性別:男

年齢:30歳

身長:174㎝

趣味:動画投稿


無番汽車ロイヤルスイートルームに引きこもる謎の男

名前:アントワーヌ

性別:男

年齢:23歳

身長:175㎝

趣味:ポーカー、賭け事


無番汽車、赤髪の指揮官

名前:アダム

性別:男

年齢:24歳

身長:178㎝

趣味:いたずら、読書


無番汽車の炭鉱夫

名前:ニック

性別:男

年齢:29歳

身長:185㎝

趣味:酒を嗜むこと、人の話を聞く


無番汽車の炭鉱夫

名前:レア

性別:女

年齢:19歳

身長:168㎝

趣味:おしゃれ、恋バナ


無番汽車の美しきウェイトレス

名前:ゾーイ

性別:女

年齢:27歳

身長:166㎝

趣味:世間話


無番汽車の頼れるウェイトレス

名前:コリン

性別:男

年齢:19歳

身長:60㎝

趣味:ゆっくりする


無番汽車のスチュワート

名前:ミハイル

性別:男

年齢:一応15歳ってことにしてる

身長:160㎝

趣味:ごはんを食べる、ボーっとする


無番汽車、妖精のスチュワート

名前:チェンシー

性別:女

身長:140㎝


シンイチの身の回りの世話をする老婆

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