第1話にして多分fin
文字数 3,772文字
教室のぽかぽかした窓際で、購買にてゲットした『パイ生地さっくさく☆中はしっとり! ハニーアップルパイ』を飲みくだしてから、私・
中学のころから一緒のふたりは、いつも私を困らせてくる『お兄ちゃん』への
具体的にどんなアタックをキめてくるかというと⋯⋯。
進学校でもある我が校の教室で響くのは、先生の講義の声と、生徒たちのペンを走らせる音、そして――お兄ちゃんの、荒い息遣い。
まったく、本当にしょうもないひとだけど⋯⋯、お兄ちゃん、顔はカッコイイしすごく優しいし、最近はやたら、私好みのアプローチしてくるんだよね。
この前も、朝遅刻しそうになって、急いで家から飛びだしたらね。
真っ白な馬に乗って中世の衣装に身を包んだお兄ちゃんが、白馬もろともナポレオンポーズをドヤ顔しつつ30秒ほどキメたのち、学校まで
その間モチロン、顔はドヤってるままなんだよぉ、キャー!!♡ もうもう、私の理想そのまま!! クールすぎるよね~!!!♡♡
実は数ヶ月前から、アタシと雫とお兄さん、リャイン(※スマートフォンのメッセージアプリ)のグループ作って、週五で
お兄ちゃんは、いつもにこにこしてるけれど、とっても
そんなお兄ちゃんが、私――うぬぼれていいなら、大切なひと――から本気で『いや』って
それはすっごく、しょんぼりしちゃうこと、なんじゃないだろうか?
不意にガラッと教室の扉が開き、通話してたはずのお兄ちゃんが、ツカツカ入ってくる。
こんなこと、されたことない。
胸が、
お兄ちゃんの浮かべる表情は、本当に切なくて、苦しそうで。
お兄ちゃん、悲しいの?
やっぱり私は、お兄ちゃんを傷つけてしまった⋯⋯?
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