1_プロット

文字数 1,321文字

「行って帰ってきた彼らと学級委員長の俺」プロット
起)小学五年生男子の主人公ウツワは、生真面目で熱血、少し天然な性格だ。彼は学級委員長として悩んでいた。くじ引きで外れて学級委員長になったものの、なったからにはきちんとクラスの皆の助けになりたいと、ウツワは思っていた。しかし、このクラスは変わっている人ばかりだ。「変わっている」とは変人という意味だけではない。この街では最短一瞬、長くて一ヶ月失踪して、性格が変わって帰ってきた子どもが何人もいる。彼らは全員「あちら側」で冒険して帰ってきたのだと話す。あちら側の様子や、冒険の内容は千差万別で、真偽はウツワにはわからない。けれど彼らが怪物や特別な力を持っているのを見たり、仲良しの性格が急に変わることに、ウツワは何度も直面してきた。「どこかに行って、帰ってきて、変わってしまった彼ら」「サバイバー」とスクールカウンセラーの先生は、彼らを呼ぶ。幼馴染のイツキが異世界での出来事にうなされるのを見てきたウツワは、どんなに変わったように見えても根っこは変わらないイツキや、彼に似て苦しそうなクラスメイトたちの心を癒そうと決意した。

承)ウツワは考える。俺には行って帰ってきた経験はない。でも話を聞いてそばにいることはできるんじゃないか。スクールカウンセラーに心配されながら、学級委員長のウツワは荒れているクラスメイトに対話を試みる。「ウツワさんよ、同じ人間と言うがトカゲはだめなのかよ?」「そんなこと一言も言っていない!広義の人を人間と言っただけだ!」寝ているときだけ「行った先」での姿だった恐竜の姿になってしまうオオヤマや、影のなかに何人もの友人がおりクラスで照れて話せないミヤモト、植物に触っていれば食事が必要いらず給食を食べない緑の髪のツムギなど、一筋縄でいかないクラスメイトたちの悩みをウツワは聞いて解決したり、ときには悩みは解消できないものの、同じ世界で上手く生きられる道を一緒に悩む。

転)ウツワの真摯な姿勢に心打たれた友人イツキが、自分がうなされる訳を打ち明ける。「ぼくは予知夢を見られる。そして見た。クラス全員であちら側の世界を迷っている夢だ」なぜこの街は帰還者が多いのか、その理由に鍵があると、イツキは知ったことを教室で話す。いつまたあちら側に行くことになるのか、おびえる数名のクラスメイトたちと、能力を発揮する機会がなくいらだっていた数名の発案によって、街を探ることとなる。それぞれの特殊能力を使ってクラスメイトは、不思議なことが起こる街を探検する。

結)ついにウツワたちのクラスは、あちら側にランダムにつながる原因である扉を見つける。扉を破壊しようとするクラスメイトたちをウツワは止めた。「これを壊すと、いつかお前たちみたいな人の帰り道がなくなる。帰る場所は必要だ」ウツワは全員を説得し、扉を開けたままにした。その扉はウツワが見張ることとなる。半年後、旅行の準備をしたウツワたちはクラスメイトたちと扉の前に立っていた。「それでは第一次捜索遠征隊出発だ!」ウツワたちは帰り道を確保するだけでなく、帰りたい人を探しに、扉を開けた。その光景を夢で見たことがあると、イツキは歩きながら思い出した。
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