デートを楽しんでくれたようで嬉しくなった

文字数 793文字

休日の予定(特に女性とのデート)を控えている時は幸せだ。

通勤の満員電車の中でも、仕事で忙しい時も、心の底にガッツの泉が湧いているような感覚がある。

当日は六本木で待ち合わせをした。

午前中は彼女は用事があるようなので、私は少し早めに行き、タリーズでパスタを食べて過ごした。

午後1時。

コーヒーを飲んでiPhoneでラジオを聞いていると

「お待たせしました!」

と彼女が元気よく目の前に現れた。

仕事の時とは違い、髪はほどいていた。

服装は紺のワンピースだった。

相変わらず大きな目で吸い込まれそうになったが、そこは理性で乗り切った。

「忙しいところありがとうございます。

では行きますか。」

私は残っていたアイスコーヒーを飲み干し、皿を下げに行った。

かわいい犬のアニメのキャラクターのミュージアムが日本に来ていたのでそこに行った。

大人が見ても可愛くて(むしろミュージアムは大人が多かった)、忘れていた大切なものを教えてくれるものであった。

実は少し、デートのまえは緊張していたのだが、アニメといえどアメリカの独特なジョークやユーモアが効いているところが面白く、彼女と笑うことができたのは良かった。

お土産コーナーで、彼女は職場の同僚にクッキーを買っていた。

このミュージアムに来たことを楽しんでくれたようで私は嬉しくなった。

ミュージアムを出て、喫茶店アマンドでケーキとコーヒーを飲んだ。

2階に通されると、六本木の交差点が見渡せる窓際の席を案内された。

窓から入る光が彼女を照らし、紺のワンピースの彼女はとても美しかった。

美味しいケーキを食べる。

美味しいコーヒーを飲む。

美しい彼女を見る。

緊張してきた。

そろそろ次のデートの約束を取り付けなければならない。

私は恐る恐る

「次はいつ会えますか?」

と聞いた。

 
15分後、私は足取り軽くアマンドの階段を降り、ウェイターに会計レシートを渡した。

浮かれているのを感づかれないように。
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