第15話 王子さまの思い込み
文字数 565文字
あまりに唐突な申し出に、梨華はしばし唖然 としてから、
「はああ~~~~~ !?」
と、素 っ頓狂 な声を上げた。
「本気なの? あなたガンディアの王子さまでしょ。しかも第一王子! なのにどこの馬の骨ともわからない娘に、き、き、求婚するなんて!」
顔を赤らめ、つっかえながら叫ぶ梨華に、リシャールがにっこり笑う。
「もちろん本気です。それに馬の骨だなど、とんでもない。失礼ながら入港している水軍について調べさせていただきました。あなたが仰っていたように、母君は羅紗 国の王女で、あなたご自身、国王の孫。羅紗は遠い東の国ですが、身分的には何ら問題ありません」
「でもあたしたち、昨日会ったばかりよ!」
「時間は関係ありません。わたしはひとめで勇敢で美しいあなたに恋をしました。そして感じたのです。あなたこそ運命の人だと」
おそろしく思い込みの激しい王子さまに、梨華はドン引きする自分を感じた。
あの時の印象は梨華にしてみれば、王子さまにしてはずいぶんとヘタレ、というくらいしかなかったのに。
気持ちを落ち着かせようと、梨華はお茶をひと口飲んで、おもむろに口を開いた。
「ダメよ」
「え?」
あっさりと断られ、リシャールが眼を瞬 かせる。
「なぜです !?」
「だって、あたしは母さまの後を継いで水軍の長 になるんだもの。ガンディアの王子さまとは結婚できないわ」
「はああ~~~~~ !?」
と、
「本気なの? あなたガンディアの王子さまでしょ。しかも第一王子! なのにどこの馬の骨ともわからない娘に、き、き、求婚するなんて!」
顔を赤らめ、つっかえながら叫ぶ梨華に、リシャールがにっこり笑う。
「もちろん本気です。それに馬の骨だなど、とんでもない。失礼ながら入港している水軍について調べさせていただきました。あなたが仰っていたように、母君は
「でもあたしたち、昨日会ったばかりよ!」
「時間は関係ありません。わたしはひとめで勇敢で美しいあなたに恋をしました。そして感じたのです。あなたこそ運命の人だと」
おそろしく思い込みの激しい王子さまに、梨華はドン引きする自分を感じた。
あの時の印象は梨華にしてみれば、王子さまにしてはずいぶんとヘタレ、というくらいしかなかったのに。
気持ちを落ち着かせようと、梨華はお茶をひと口飲んで、おもむろに口を開いた。
「ダメよ」
「え?」
あっさりと断られ、リシャールが眼を
「なぜです !?」
「だって、あたしは母さまの後を継いで水軍の