第1話 三年ぶりに再会した彼女は口が悪い

文字数 616文字

 カンカンとアパートの階段を上がる。
 三年間の海外転勤から戻って出社一日目の帰り。
 新卒の頃には毎日聞いていたその音に懐かしさを感じながら鳳健吾(おおとりけんご)は二階の一番奥の部屋へ向かった。

「ん? よう」

 すると、知った顔が隣室へ入ろうとしている場面に遭遇する。

「なんだ。帰って来てたんだ」

 ショートボブの髪に同年代にしては強調の激しい胸部。そして、ツンとした視線を送る彼女は隣室に住む鮫島凛香(さめじまりんか)である。
 三年前は何かと後ろを着いて回っていた人懐っこい印象があったが、女子高生になってから更に異性が目を引く美少女になっていた。

「お前は元気そうだな」

 昔のノリで頭を撫でようとしたら、驚いた様に手で弾かれた。

「今はそう言うのは犯罪だから。知ってた?」

 転勤先のアメリカではハグなんかは挨拶で異性との境は日本ほどに厳しくない。
 軽率な行動ではあったと反省するも、なんか少しだけ棘を感じる。

「後、夜に壁越しに音が漏れてうるさいんだけど。○コるなら止めてくれる?」
「映画! 映画だから! 向こうじゃ吹替版なんて殆んど無いからそれ見てんの!」

 て言うか年頃の女子高校生がシ○るとか言うなよ。
 でも危なかった。自家発電する時はイヤホンをつけよう。

「何かあったら通報するからな」

 そう言ってリンカは隣室へ入って行った。

「……三年ぶりの初っぱながこれか。反抗期は怖ぇな」

 女子高生と言う日本で最も護られている存在には爆発物と同じように扱わなくてはと思ったのだった。
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登場人物紹介

鳳健吾(おおとり けんご)。

社会人。26歳。リンカの隣の部屋に住む青年。

海外転勤から3年ぶりに日本に帰って来た。

所属は3課。

鮫島凜香(さめじま りんか)。

高校1年生。15歳。ケンゴにだけ口が悪い。

鮫島瀬奈(さめじま せな)

XX歳(詮索はタブー)。リンカの母親。ママさんチームの一人。

あらあらうふふなシングルマザーで巨乳。母性Max。酒好き。

谷高光(やたか ひかり)

高校1年生。15歳。リンカの幼馴染で小中高と同じ学校。雑誌モデルをやっている。

鬼灯未来(ほおずき みらい)

18歳。リンカの高校の先輩。三年生。

表情や声色の変わらない機械系女子。学校一の秀才であり授業を免除されるほどの才女。詩織の妹。

鬼灯詩織(ほおずき しおり)

30代。ケンゴの直接の先輩。

美人で、優しくて、巨乳。そして、あらゆる事を卒なくこなすスーパー才女。課のエース。

所属は3課。

七海恵(ななみ けい)

30代。1課課長。

ケンゴ達とは違う課の課長。男勝りで一人称は“俺”。蹴りでコンクリートを砕く実力者。

黒船正十郎(くろふね せいじゅうろう)。

30代。ケンゴの勤務する会社の社長。

ふっはっは! が口癖で剛健な性格。声がデカイ。

轟甘奈(とどろき かんな)。

30代。社長秘書。

よく黒船に振り回されているが、締める時はきっちり締める。

ダイヤ・フォスター

25歳。ケンゴの海外赴任先の同僚。

手違いから住むところが無かったケンゴと3年間同棲した。四姉妹の長女。

流雲昌子(りゅううん しょうこ)。

21歳。雑誌の看板モデルをやっており、ストーカーの一件でケンゴと同棲する事になる。

淡々とした性格で、しっかりしているが無知な所がある。

サマー・ラインホルト

12歳。ハッカー組織『ハロウィンズ』の日本支部リーダー。わしっ娘

ビクトリア・ウッズ

30代。ハロウィンズのメンバーの一人で、サマーの護衛。

凄腕のカポエイリスタであり、レズ寄りのバイ。

白鷺綾(しらさぎ あや)

19歳。海外の貴族『白鷺家』の侯爵令嬢。ケンゴの許嫁。

音無歌恋(おとなし かれん)

34歳。ママさんチームの一人で、ダイキの母親。

シングルマザーでケンゴにとっては姉貴みたいな存在。

谷高影(やたか えい)

40代。ママさんチームの一人であり、ヒカリの母親。

自称『超芸術家』。アグレッシブ女子。人間音響兵器。

ケンゴがリンカに見せた神ノ木の里

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