第25話 ポプコン

文字数 2,554文字

日本の70年80年代の曲を調べていると出てくるポプコン。優秀曲賞に選ばれた歌手は活躍しているが、グランプリになったのは……一発屋が多いとか。

 ヤマハポピュラーソングコンテストは、ヤマハ音楽振興会の主催で1969年から1986年まで行われたフォーク、ポップス、ロックの音楽コンテストである。略称「ポプコン」

 後に年2回開かれるようになった。グランプリ優勝者には自動的にレコードデビューが約束され、世界歌謡祭の出場資格を得ることができた。もともと第5回まではプロを対象にしたコンテストで、アマチュア向けのプロへの登龍門として開催されるようになったのは第6回からである。


 1970年代はフォーク・ニューミュージック、1980年代はニューミュージック全盛期であったが1980年代後半にかけてバンドブームの隆盛やロックへの移行傾向とともにこの名称での大会は終了。

 1987年以降は世界最大のアマチュアバンドコンテストBAND EXPLOSIONやTEENS' MUSIC FESTIVALに受け継がれ、さらに2007年には「MUSIC REVOLUTION」と名称を変更した。 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%8F%E3%83%9D%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88

第1回(1969年)グランプリ

恋人はあなた:黛ジュン

第2回(1970年)グランプリ

できごと:弘田三枝子

ポプコンとは関係ないが、昭和の歌を聴いていたら思い出した。当時、かなり流行っていた。

第3回(1971年)グランプリ

PleasePleasePlease:ヒデとロザンナ

雨:モップス

第7回(1974年)グランプリ

恋のささやき:小坂恭子

第10回(1975年)グランプリ

時代:中島みゆき

 これは、名曲中の名曲です。ミュージシャンとしても既に完成されてますね。詩が圧倒的です。


 不運と言っていいでしょう。第10回大会にはもう一曲素晴らしい曲があります。優秀曲賞 ですが、もしも中島みゆきがいなければ、この曲がグランプリだったのではないでしょうか。

第14回(1977年)グランプリ

あんたのバラード:世良公則&ツイスト

第15回(1978年)グランプリ

10月の汐吹は寒かった:U・U


 第15回には、日本の音楽史に名を残すであろう強烈な個性を持ったミュージシャンが2人登場します。

巡恋歌 長渕剛

 長渕剛は第12回大会にも出場しており、「雨の嵐山」という曲で入賞しています。


 もう1人は「Do What You Like (勝手にしなよ)」で優秀曲賞を受賞した佐野元春です。

 この曲は佐野元春のファースト・アルバムに収録されています。

第16回(1978年)グランプリ『夢想花』: 円広志

優秀曲賞『傷心』: 大谷裕子

 圧倒的な歌唱力で注目され、『傷心』で優秀曲賞を受賞したのが大友裕子です。

 当時はニューミュージック全盛期でしたが、彼女はその範疇にはまらないアーティストでした。書く詞も「二人なら死んでもいいと思った」など、情念の籠もったものばかり。しゃがれ声での絶唱はいまだに強く記憶に残っています。

「世界歌謡祭」でも最優秀歌唱賞に選ばれ、この曲でレコードデビューを果たしますが、82年、結婚のため活動期間わずか3年ほどで惜しまれつつ引退しました。

 ラストシングルが、飛鳥涼が作詞した『ボヘミアン』。これは翌年、同じポプコン出身の葛城ユキがカヴァーし大ヒットしましたが、オリジナルは大友裕子なのです。

第19回(1980/昭和55年)グランプリ

「街が泣いてた」伊丹哲也とSide by Side

 80年代の幕開けはこの、ロックテイストの名曲から始まりました。

この大会では、優秀曲賞の雅夢「愛はかげろう」という大ヒット曲も生まれています。

23回グランプリはあみんの『待つわ』

優秀曲賞『花ぬすびと』 明日香


 明日香はこの曲で世界歌謡祭グランプリに輝いた。

 当時は名古屋音楽大学の学生で、ピアノを専攻していましたが、ピアノ弾き語りによる『花ぬすびと』は、美しいイントロから、静かな語りで始まり、サビの「二度咲き 夢咲き 狂い咲き」へと、たたみ込むような展開で進行。花を題材に恋愛を描いた詞も素晴らしく、ポプコン史上屈指の傑作と言っていいでしょう。原曲は中学生のときに書いたというから驚きです。

 明日香はこの曲で世界歌謡祭グランプリに輝き、高井真巳子に『メロディ』を作曲するなど楽曲提供も行っていましたが、2013年、がんのため49歳の若さで逝去したのは残念でしたが、もっと記憶に留めるべきアーティストです。

 第25回ポプコンでは、名古屋の女子高生がグランプリを受賞しました。磨香(まこう)というアーティスト名は本名で、フルネームは壁沢磨香。受賞曲『冬の華』は本人の作詞・作曲ですが、ピアノとバイオリンだけの簡単な構成にもかかわらず、大正時代を思わせる独特のムード……

 また凄い才能が名古屋から出て来たなとゾクゾクしたのを覚えています。今でも通用、というより、逆に今の方が受けそうな名曲で、即アニメ主題歌に採用されそうです。高校生とは思えないクオリティの高さには驚くほかありません。

 しかし……これだけの才能を持ちながら、彼女がリリースしたのはこの一曲だけ。その後、表舞台からは一切姿を消してしまいました。どんな事情があったのか分かりませんが、消息を知りたいところです。


Wikipediaと「ポプコン出身女性シンガーの隠れた名曲! 」より。

1983年5月、高校生の時に自作曲「冬の華」で第25回ヤマハポピュラーソングコンテストグランプリ受賞。10月、第14回世界歌謡祭グランプリ受賞。11月、同曲でメジャーデビュー。短期間の活動で引退。 

古風な作風による独特な世界観が特徴である。

1984年1〜3月放送のNHK「新夢千夜日記」の挿入歌に用いられた。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/磨香

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色