第19話 人生を狂わせる

文字数 613文字

彼は今、実業家でスピリチュアリスト(?)の30代くらいの男性のYouTuberの動画を視聴している。

燃え盛る恋愛は、仕事をはじめ人生のすべてを狂わせることが多いという。

彼は現在、本当に落ち着いている。渇望が切望へと変容し、希望となり無望(もはや、望みも希薄で、かなり深くどのようになっても、ことによったら、進展しなくてもいいかな、という状態)となっている。

欲望があるから、人は幸せにもなれる。しかし、欲望のため、不幸に陥っている人があまりにも多い。欲望を次々に叶えていくのが幸福なら、躓くのも幸せ、なこと、これに気づこう。

「受け入れられないことは受け入れられない」と言うことが愛である。そう託宣が。

宇宙は最高のタイミングで最善のものを齎してくれるよう采配している。何度もそう言われてきたが、渇望するあまり、それが信じられないでいた。時の中でもがき葛藤するうちに自身と向き合い、表現することにより、落ち着きがやって来た。最後にはいつも感謝に包まれ、嬉しさでいっぱいになる。

物にも心がある。況や人に於いておや。お互いが支え合って応援し合う関係が、永くよく続く間柄である、と教えられる。何かをしてあげた相手から、直接お返しを望んだりすることをまったくせず。

恋愛であるなら、「よくわからないけど、傷つく感じが素敵」かもしれないが、愛であるなら、もし、想いが裏切られたとしても「傷つかない」ものなのだろう。彼は、ぼんやり、そう感じた。


ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

彼女

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み