第2話 愛情に関する表現

文字数 719文字

 前に習っていた英会話の先生に、princess と呼ばれることが多かった。アメリカ人男性、年齢は不明だが三十代半ばの子供もいて、孫もいるような人だ。
 最初 princess と呼ばれたときは「違う」と思ったし、気障だなとも思った。そのうち違和感も消えて慣れてきた。すんなり受け入れられるようになってきた。
 外国のドラマとかで父親が自分の娘をそう呼ぶのを見たことがあるので、そんな感じなのかな?
 思い返すと、自分の父親(勿論日本人)は絶対そんな感じのことを言わなかった。日本でもマドンナ的な存在の可愛い女性を姫って呼ぶことがあるが、昭和の漫画とかドラマの中だけで実生活ではあまりない。

 princess, baby, babe, babygirl, honey, sweetie, sweetheart
 日本語だと何だろう?彼氏とか彼女?それはお互いの呼び方というか関係性の意味合いが強いから違う気がする。じゃあ、愛しい人?実生活では言わないし…。そもそも愛しいって実生活で使ったことない。  

 結局、私が何を言いたいかっていうと、愛情に関する表現、呼び方だけを取り上げるにしても、英語の方が日本語より豊かな気がする。そのことが日本で生まれ育った私としては悔しい気がする。
 愛についてあまり語らない、いい風に言えば奥ゆかしい日本語。結構ストレートな英語。
 こう言っちゃなんだが、私は好きな人に「好き」とか「愛してる」とか言うのは恥ずかしくて仕方がないのに、
"I love you." とか "You are everything to me." なら結構普通に言えそうな気がする。
 英語のときだけ人格が変わるのか?言葉って不思議だ。

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