16

文字数 744文字



わたしはずっと
ひたすら走っていれば
その全てが報われると思ってた
夢もいつしか見れない事を
誰か人のせいにして生きてた
全部捨てて投げ出して
好き勝手に始めても良かったのにと
振り返ればあの時の私に
もっと強く望めと言えるけど
普通に仕事して何年か後に結婚して
子どもができて家庭を守って
歳をとって朽ち果てるまでが
当たり前なのだと井戸の中で考えてた
最初から安易な選択をして
楽な方ばかりを選んでたように思う
背伸びして他の人がしてない事をして
怪我をするのが正直怖かったから
母のように失敗するなと
たくさんの大人に言われてたこともあった
安定とか安泰とか本当はどうでもいいのに
優等生ぶって周りの大人たちが
望む大人になれるようにしてたから
ちょっとずつその見えてるものに
歪みとか亀裂とかできてきて
笑えるほどに何倍にもの大きさで
戻ってきてダメージを喰らわした
そこで吹っ切って自分の居場所を作ろうと
もがいて弱いわたしはまた
安易な選択を繰り返して
遠回りしてここまでやってきた
滑稽かな気がつけば
無駄とまでは言わないけど
別にわたしじゃなくても出来る事に
振り回されてただけだったと気が付いた
そう自分の心に嘘をついて
やりたい事に接着剤までつけて
蓋を無理矢理閉めて何年も閉じ込めてきたから
開放したエネルギーを止められない
無謀なことも呆れるくらいポジティブに
なんでも出来ちゃうと思ってる自分がいる
そしたら時間が足りなくなってきてしまった
あれもコレもと欲望のままに
色んなものに手を出してしまっている
好みも変わった気がする
コントロール効かないこの今を
何故か心から愛おしく思っている自分がいる
手に入れられない物を悔いるより
手に入れられないかもしれないけど
そんな未来はわからないから過程を楽しもう
燻っていた子供心に従って
誰かが許す限り全力で走ろう

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み