第16話

文字数 7,744文字

 リアナの待つ廃工場へ戻ると、戻って来ていた男達が不服そうな表情で俺を睨んで来たが、その顔は驚きと動揺に変わった。
 顔を逸らしているリーダーの男は呆れたような表情をしている。
「アンタ…義体なんだって?リーダーから聞いた」
 1人が恐る恐る言う。
『なるほど』
 心中で呟いてリーダーの男を見るが、やはり男はこちらを見ない。
「アンタは元々人間だから俺達の気持ちが解らないんだ!」
「リーダーはアンタが元々人間だから、プログラムに従って撤退命令に従っただけだ!」
「リーダーは途中で戦うのを止めるような人じゃない!」
 口々に男の仲間達が言う。
 男が自分の意思で撤退命令を出したとは思っておらず、俺が命令をしたからだと思っているらしい。
「俺が元々生身の人間だったとか関係無い。撤退を決めたのはそいつの意思だ」
「ハッキングしてそう仕向けたんだろ!」
 言いながら1人が近づいて来る。
「確かにそうする事も出来たな」
「何だと?」
 言って近づいて来た人物が胸倉を掴む。
 見下ろし、睨付ける目を見据える。
「そうしなかったのは、それじゃあ駄目だからだ」
「は?」
「止めろ」
 リーダーの声に俺を睨む男が悔しげに舌打ちをして手を放す。
「撤退を決めたのは俺だ。何度も言わせるな」
 言ってリーダーの男が漸く俺を見る。
「お前が義体なら、躯はどうした」
「そんな事、今はどうでもいいだろ!」
 胸倉を掴んできた男がリーダーの男に言い返す。
 俺もどうしてそんな事を訊くのか解らない。
「答えろ」
 真っ直ぐ見据える目は真剣で、ふざけている訳ではないのは解る。
 横から袖を掴まれ、横目で見ると、リアナが不安げな顔をしていた。
 その手にそっと触れ、俺は静かに息を吸ってから男を見た。
「肉体はもう無い」
 俺の言葉に男達がざわついた。
「肉体が無い?」
「そんな事…」
「嘘だろ?」
「いや…でも」
 リーダーの男の額にも汗が滲んでいる。
 こうしてリアルな汗などが出るから人間味が増しているのだと思う。
 汗や涙が無ければ生きている感じなどしなかったかもしれない。
「肉体が無いのにどうして生きていられるんだ」
「それは…俺にも解らない」
 未だ自分の躯ではない感覚がしている。
 人形の中のような、言い表せない感覚。
 一瞬意識を失い、闇のような空間に落ちた時に、本当の自分は死んだのかもしれない。
 それでも、こうして生きているのは確かだ。
「さっき…ハッキングをしてそう仕向けたって言われたけど、確かにそうする事は出来た。けれど、そうしなかったのは、それじゃあ意味がないからやらなかった」
 正しくは俺ではなくリアナに協力して貰わなくては操る事など出来ない。だが、リアナの事については教えない方が良いだろう。
 知れば利用しようとする者が現れてしまう。
 リアナは自我がしっかりしているから利用される事は無いだろう。しかしそれでも、彼女の事は黙っていた方が良い。
「もし俺達が撤退しなかったらどうするつもりだったんだ?」
 リーダーの男が問う。
「止めに向かったさ」
「1人でか?」
「ああ」
「お前…自信過剰だな。1人で俺達全員を倒すつもりだったなんて」
 男の言葉に「ふっ」と笑ってしまった。
「勝てるなんて思っていないさ」
「それじゃあ、人間と手を組んでいたか?」
「それも無い」
「は?」
 男が"意味が解らない"という顔をする。
 それもそうだ。
 誰の手も借りずに戦うというのは余りにも無謀なのに、それでも1人で戦うと言っているのだから。
「信じているから」
「何を」
「意思と感情を持っている事を」
 こんな事を自分が言うようになるとは思っていなかった。
 生身の人間だった時はこんな事を言わなかった。
 母親が死んでから、何をしても生きている感じがせず、本当に"動いているだけの人形"のような生き方をしていた。
 それにも関わらず、今になって生きる事の意味を探している。
 自分に生きる意味が無くても、今はまだ護らなければならない存在がいる。
 せめて彼女が安心して暮らせるようになるまでは死ねない。
「変な奴だな」
 男が呟き、溜息を吐いてから「はは」と笑った。
「お前は戻って来るのが遅かったな」
「あぁ…。少し話しをしていたんだ」
「話し?」
 男が首を傾げて訊き返す。
「向こうが話し合いを望んでる」
「は?!
「どういう風の吹き回しだ?」
 リーダーの男以外の者達が動揺と不安を露わに言う。
 それもそうだ。
 今まで殺し合っていた相手が突然話し合いを望めば、俺だって罠ではないかと疑う。
 けれどこの話しは罠ではない。
「日時は?」
 リーダーの男が動揺もせずに問う。
「明日の朝、俺が向こうに行ってリーダーと日時を決める。もしかしたら明日中になるかもしれないけど、話したい事を纏めたいなら明後日にでもして貰う」
「俺はいつでも構わない。問題は場所だ。俺は何処でも構わないが、此処は…な」
 言って男が横目で仲間を見る。
 此処へ連れて来た場合、何かの切っ掛けでまた争ってしまう事を危惧しているのだろう。
 それは人間側も同じだと思う。
「どんなに怨んでも、何処かで負の連鎖は止めないとならない」
 俺の呟きに男が「え?」と訊き返す。
「ふぅ…。何でも無い。独り言だから気にするな」
「あ?…ああ」
 男は不思議そうに首を傾げたが、咳払いをすると仲間達に「解散だ」と言った。
「久し振りにゆっくり休め」
「けどリーダー!奴等が攻撃して来ない可能性は無いだろ?」
 仲間の1人が言う。
「もし誰かが来てもこっちで対処する」
 俺の言葉に男の仲間達が疑念の目を向けて来る。
 やって来て間もない奴の言葉を信じられないのは当然の反応だ。
「そういう事だ。お前等は返れ。命令だ。従わないって言うなら、こいつに頼んで強制的にスリープモードにして貰って家に運ぶが……どうする?」
 リーダーのほぼ脅迫に近い命令に、仲間達は顔を見合わせ「了解」と言って出口へと向かい歩き始めた。
 通り過ぎる者達が横目で俺を睨んで来るのを気付いていないふりをして流した。
 全員が出ていくと、1人残ったリーダーの男が「お前達は何処に泊まるんだ?」と訊いて来た。
「俺は見張りをしないとならないからな。こいつには何処か泊まれる場所を用意したいけど」
 言って横目でリアナを見る。
「私は…大丈夫」
 そう返してリアナが腕を掴む。
 それを見た男が笑って「一緒にいたいらしい」と言った。
 ハッキリ言われると恥ずかしくなる。
 顔には出ないが。
「お前、名前は?」
 息を整えて男が問う。
「アルフォード」
「俺はボルグだ」
 言ってボルグが元事務所だった場所のドアを開け「何か飲むか?」と訊いて来た。
「何が有る?」
「フルーツジュースに、コーヒー、あと…酒が3本」
「それじゃあ、俺はコーヒーで。リアナは?」
「ジュースでいい」
 それを聞いたボルグが「解った」と頷いて奥の小さな冷蔵庫へと向かいながら「適当に座って待ってろ」と言う。
 小さな冷蔵庫から缶ジュースを取り出した後、近くの食器棚へと向かい、何かを取り出し、簡易的なガスコンロの上に夜間を置いて火を点けた。
 椅子に座ったリアナに歩み寄り「ほら」と言って缶を差し出す。
「いただきます」
 礼を言ってリアナが缶を受け取り、蓋を開けて口へと運ぶ。
「コーヒーは少し待ってくれ」
「構わない」
 俺の返事に頷き返し、ボルグが空いている椅子に腰を下ろす。
 静まり返った室内に火の燃える音だけが微かに響く。
 少ししてボルグが「お前は不思議な奴だな」と呟いた。
「え?」
 意味が解らず訊き返す。
「今までにも色々と言われた事は有ったんだ。命乞いだってされた。それでも俺は……俺達は戦って、殺す事を止めなかった。自分達のやっている事は正しいと信じていたから」
 俯いたままボルグが静かに語る。
 初めて逢った時の刺々しい感じが一切しない。
 これが本来の彼なのだろう。
「それなのに…お前の言葉は何かが違った。具体的に何が違うか問われたら…解らない。お前の言葉に沸いた感情も、初めてで…何なのか解らないし」
 俯いたままの顔が哀しげに見える。
「今…何を想い出してる?」
 問い掛けにボルグは少しだけ顔を上げたが、その目は何処かを見詰めていた。
「最初に殺したのは、俺を買った家族を殺した人間だった。脅えた目で俺を見て、震えながらも銃口を俺に向けて「お前達が悪いんだ」と言った。俺は…何が悪いんだ。何もしていないのにどうして殺したんだって言い返して、男から銃を奪って男を撃った」
 ゆっくりとボルグが顔を上げ、苦しそうな表情で俺を見た。
「俺は…その時の事を後悔してない。けど…お前からすれば…それすらも間違った事だと言うんだろ?」
 その問いの答えは俺にも解らない。
「…間違っていたとは言えない」
 間を空けて呟くように答えた俺の言葉に、ボルグは「は?」と顔をしかめた。
「復讐心で誰かを殺す事が間違っているとは俺には言えない」
「ならどうして俺達が戦うのを止めた?」
「……」
 黙り込んだ俺にボルグが首を傾げる。
「憎しみは…憎しみしか生まない」
 代わりのように言ったのはリアナだった。
「復讐して…貴方達の怒りは収りましたか?収らないから戦い続けているんでしょう?けれど、結果、怨まれて、貴方達と同じ理由でまた誰かが殺されて…。やられたからやり返して…。それを繰り返して、何を得たんですか?哀しみだけが募って、皆が動けず、止める術さえ見失っている。それなら、誰かが止める為に動かないと…」
「その…止める為の存在にでもなるつもりか?」
 ボルグの問いに「そんな大それた存在になれはしない」と俺は答えた。
「見て見ぬフリをしたくない。目の前で誰かが殺されそうになっていたら助ける。けれど、相手の言い分を訊かずに争いたくない。悪い奴はいるけれど…殺したくはない。まぁ…それでも懲りずに罪を犯すなら…その時は…」
 最後まで言う事は出来なかった。
 一度見逃した相手がまた誰かを殺す事だってあった。
 その時は感情を殺して引金を引いてきた。
 後になって"他の術も有ったのではないか"と考える。
 それは後悔とは違う。
 罪の重さを感じていても、それは"後悔"ではない。
 後悔する事が有るとするならそれは…。
「アル?」
 リアナに呼ばれ、思考を止めて顔を上げ「何でもない」と返す。
 ボルグが苦笑してリアナを見る。
「あんたは…そいつの事を解っているんだな」
 その言葉に、リアナは僅かに俯き「解らない事の方が多いです」と言った。
「私は…アルみたいに前線で戦う事は出来ません。帰って来るのを待っているだけで、そこで何が起きているのか詳しく知る事は出来ない。けど、アルは…色んな事を見て来たと思うんです」
 その言葉に、横目でリアナを見ると、哀しげな目で俯いていた。
「前にいた町は…少し前まで、人間とアンドロイドは争っていませんでした。けれど、町の外まで…時々武器を持った人達が来ていて…。アルはずっと1人でそういった人達を相手に戦っていました」
「気付く…よな」
 気付かれている気はしていた。
 俺の呟きにリアナが寂しげな笑みを浮かべ「当然でしょう」と言う。
「多分、止めに入る理由は無いですよ。それこそ、本能で動いているような人ですから」
「それ…全く説明になっていない気がするんだけど」
「そう?」
「本能ってなんだ」
「けど、説明出来ないんだよね?」
 そう訊かれると…。
「…出来ない…な」
「それなら本能って事でしょ」
 勝ち誇ったようにリアナが笑って言う。
 悔しいが歩の通りかも知れない。
「ふっ…ふっ…あはははははは!」
 ボルグが笑い出し、驚いて見ると「悪い…面白くて」と言いながら目の端に滲んだ涙を拭った。
「そうだな…。なんか、不思議な感じがする理由が解った」
 言いながらボルグが息を整える。
 自分では全く解らない。
 息を整え、息を吸い込み、ゆっくり吐くと、少し間を空け、笑みを浮かべてボルグが俺を見た。
「話し合いに応じる。場所もそっちで決めて良い。もし仲間が問題を起こしたら俺が止める」
 迷いの無い目と言葉に、俺は笑みを返して「解った」と頷いた。
 ボルグが頷き返して立ち上がる。
「さて!それじゃあ俺は帰る。此処を自由に使って良いから。ベッドは無いが」
「いいよ。俺達だって機械の躯なんだ。1日寝なくても全く支障は無い」
「そうだな」
 言ってボルグが歩き出す。
「あの!」
 リアナが呼び、ボルグが立ち止まって振り向き「ん?」と訊き返す。
「おやすみなさい」
 それを聞いてボルグは一瞬驚いたような表情をした後、苦笑して「おやすみ」と片手を振り、廃工場を出て行った。
「…お疲れ様」
 リアナが微笑んで言う。
「お前もな。サポート…助かった」
「殆ど何もしてないよ」
「そんな事はない」
 言って今は使用されていない作業台に上に座ると、リアナが隣りに座り、そっと寄り掛かって来た。
 アンドロイドは、心臓の代わりとなっているコアから作られるエネルギーの消費を抑えるためにスリープモードに入る。
 時間は決まっていないのでいつ寝ようが構わないはずだが、リアナは不思議な事に夜になると眠気に襲われる事が有る。
 その眠気が収ると2日くらいは寝なくても平気なのも不思議だ。
 今日は眠気に勝てないらしい。
「寝て良いからな。何かあったら起こす」
「うん…」
 帰って来た声は掠れていて、見ると既に瞼を閉じていた。
 静まり返った廃工場内で、隣から微かに聞こえる寝息に耳を傾ける。
 窓からは月光が射込み、不思議な空間にいるような感じがした。

 どれくらい時間が経ったのか、月が真上を通り過ぎた頃、空気が変わった気がして時刻を確認すると、夜中の三時を回っていた。
 寄り掛かっていたリアナを起こさないように抱き上げ、事務所の方へと移動し、椅子をベッド代わりに並べ、そこに寝かせて外へと向かった。
 何処からか微かに何かが燃えている匂いがする。
 始めは誰かが焚き火でもしているのかと思ったが、そうではないと直ぐに悟る。
 前方、距離からして町を2つに隔てている壁の向こうが赤く光り、煙が立ち上っていたのだ。
 煙の勢いから見てかなり大きな火事だ。
「クソッ!」
 駆け出し、炎が立ち上っている場所へと向かう。
 壁までもう少しの所の分かれ道で自分とは別の足音がし、見るとボルグが数名の仲間達と共に血相を変えて走って来ていた。
「ボルグ!」
「アルフォード!一体あれは何だ!」
 合流し、ボルグ達と共に炎の上がっている場所へと急ぐ。
「解らない。けど、昨日の今日だ。もしかしたら…」
 最後まで言わなかったが、ボルグはその先を察したようで「クソッ!」と、先程の俺と同じ言葉を吐き捨てた。
 炎に近付き、辺りの温度が炎の熱によって上昇する。
「お前等は避難誘導を手伝え!」
 ボルグの言葉に共に来た者達が「解った!」と応え、散らばって行った。
 俺とボルグはそのまま炎に近い道を進んだ。
 少し進むと大通りに出た。
 通りを挟むように並ぶビルが幾つか燃え、それが風に煽られ近くのビルに引火している。
 そんな、辺りを炎に囲まれている状態で、大通りの中央で睨み合っている者達の姿が見えた。
「ヴライト!」
 俺の声に集団の中にいたヴライトが振り向き、目を丸くして「お前!」と声を上げた。
 それを隙と見たヴライトの前に立つ人物が棒のような物を振り上げる。
「止め-」
「さぁあせるかぁああああ!」
 後方からボルグの声がした瞬間、真横をそれなりに大きな瓦礫が通過した。
「うおっ!」
 何年かぶりに驚き、思わず足を止めそうになったが、後から来たボルグに「急ぐぞ!」と言われ、慌てて後に続いた。
 あんな物を投げる奴を見た事が無い。
 それなりにデカい瓦礫がブライト達の前に立ち塞がっている者達に向かって飛んで行った。
「うわ!」
 驚いて男達がブライト達から離れて瓦礫を躱す。
 生まれた間に割って入る。
「お前等どうして!」
 ブライトが問う。
「仲間が「火が上ってる」って知らせて来たんだ。放っておいても良かったんだが、寝覚めが悪いからな」
 ボルグの言葉にブライトが「はは」と小さく笑った。
「そんな理由かよ」
「どうして其奴らと仲良く出来るんだ!」
 前方の集団の1人が怒鳴る。
「昨日まで戦っていたのに、どうして平然と話せるんだよ!其奴らは俺達の仲間を殺したんだぞ!それなのに、いきなり現れた奴の停戦に応じて、しかも和解交渉?ふざけるな!」
「そう簡単に赦せるか!」
「お前達は裏切ったんだ!人間の敵だ!」
「そうだ!アンドロイドの味方をするなら、お前等も其奴らと一緒に殺してやる!」
 男達の言葉にブライトが「裏切った訳じゃない!」と言うも、男達は聞かず、各々手にした物を構えた。
 何故か全員が銃を持っていない。
「武器は…鉄パイプにナイフ、包丁、ボーガンだけみたいだな」
 ボルグが囁く。
「銃は預かって鍵の掛けられる場所に仕舞ったんだ。けど、そうだよな。武器になる物は他にも有る・・か」
 言ってブライトが俺達と並び、男達に「俺だって、アンドロイドはまだ憎い」と言った。
「けど…これ以上大切なモノを失わないでいられるなら、憎くても…俺は」
「はぁ…。こんな奴がリーダーだったとはな」
 仲間だった男の言葉にブライトが俯き拳を握る。
「2人は下がってろ」
 言って前に出る。
「アルフォード」
 ボルグが呼ぶ。
「あんた等が此処で戦えば、尚更終わらなくなる」
 言って身構えた時、高速で近づく何かの反応に気付いた。
 トラックが走ってきている音もする。
-キィー!
 急ブレーキの音に驚いて見ると、装甲車が向かって来ていた。
 近くで停まり、中から武装した特殊部隊の者達が出て来た。そして、俺達に銃口を向ける。
「そこまでだ!武器を捨てろ!」
「くそ!何で今更警察の特殊部隊が!」
「兎に角逃げるぞ!」
 男達が逃げ出す。
「逃がすな!」
「了解!」
 数名が男達を追って行く。
 少しして隊長らしき人物が残った俺達の元へとやって来た。
 捕まるのも覚悟したが、隊長らしき人物から意外な言葉を聞く。
「君達と話しがしたい」
 驚く俺達を見て男が続ける。
「この状況はこちらで対処する。部下と共に、何処か安全な場所へ避難していてくれ」
 何がどうなっているのか解らなかったが、俺達は男の指示に従い、男の部下と共に、装甲車に乗り、取り敢えずアンドロイドの区域へと向かった…。



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登場人物紹介

【ナイト】

・最新の戦闘用アンドロイド

・製造の過程で同じ顔にならないようAIが計算し製造しているが、似た顔は存在している。


【ノエル・エレナルド】

・衛生兵

・ナイトと同じアンドロイドのようだが…


【カイル・ディーウェル】

・アンドロイド

・明るい性格

・頭の回転が速い。というより勘が鋭い。

・女癖が悪いと言われているが…


【ミク・ラズリー】

・軍用アンドロイド

・軍の事務員

・4年前から以前の記憶を失っている

・カイルにしつこくされ迷惑をしているようだが…


【グレン・フィナークス】

・アンドロイドだが見た目50歳ほど

・軍人

・階級[大佐]

・独自の考えで部隊を動かす事があるため、軍や政府の一部には嫌われている

・ナイト達はグレンの直轄部隊員


【ユラ】

・アンドロイド

・グレンと同じく指揮権を持っている

・階級[大佐]

・時折何処かに支援物資を送っているようだが…


【グレイク】

・レジスタンスリーダー

・弱々しい性格

・10年前にアカネと出逢う


【アカネ】

・グレイクにリーダーを任せた女レジスタンス

・男勝りな性格のせいか口調も男みたいだが…


【クオーレ・クレアソール】

・見た目40代半ば

・アンドロイド

・軍人(制服を着崩しているため、軍人というよりも海賊や盗賊に見える)

・陸軍将校


【ヴィント・アミーネ】

・見た目30代

・アンドロイド

・軍人

・空軍将校


【ライラ・エルスターニア】

・インド人風の肌、長い黒髪、琥珀色の目をしている

・元々は飲み屋で働く普通のAI型アンドロイドだった

・見た目20代後半

・軍人

・海軍将校


【アルフォード】

・見た目20代

・レジスタンス

・仲間の数人には「アル」と呼ばれている


【ウォルス】

・見た目40代のアンドロイド

・レジスタンス

・厳つい顔をしているが優しい(初対面の子供には必ず泣かれる)

・左目の上に切り傷がある


【フェアル】

・見た目20代

・アンドロイド

・戦闘要員として前線に立つ事も有るが、本業は医師


【ルーダ】

・医療班リーダー

・明るく優しい性格だが怒ると怖い

・アルフォードだけが負傷しても見せてくれないため、無茶をして怪我しないか心配している


【リアナ】

・AIアンドロイド

・見た目は20代

・白銀の髪、緑色の目の中心は黄色に近い

【クロイツ】

・本名ではない

・いつも髪はボサボサ

・柔らかく優しい声音で話す

・メガネを掛けているが、伊達なので意味が無い

・雑貨、食品などを売っている

・一見天然そうなイメージだが…

【ヴァイス】

・中性的な面持ち

・メガネを掛けている

・見た目30代のアンドロイド

・何か目的があるようだが…

【メディス】

・身長は高め

・見た目30~40代

・元軍用施設の職員だったが、後に養護施設を開設する

・享年86歳


【ネスト】

・淡いオレンジ色の髪と目をした青年

・身長180㎝

・普通の人間と変わらない見た目をしているが…

*フィリアとは双子のような姿


【フィリア】

・身長162㎝

・淡いオレンジ色の髪と目

・長い髪を2つに分けて束ねている

・ネストとは姉弟のような関係

 自分がお姉さんだ言っているが、本当は妹でも良いと思っている

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