◇8 鳥の巣山の頂上──婆さんが!

文字数 7,265文字

 田んぼの畦道でコウスケは歩みを止めた。見渡す限り周囲は田んぼだけだ。その丁度真ん中辺りにコウスケは立っていた。
「どこ行くんだよ?」
 前を歩く婆さんに声をかけた。
「もうすぐだ」
 渋々、婆さんのあとを追った。
 田んぼを抜けた所で婆さんは立ち止まって小山を見上げている。
「おい、早く行こうぜ、なにしてんだ?」
「ここだ」
「どこだ?」
 婆さんは小山を見上げたまま動かない。
「まさか、ここ登んの? そんなわけねえしな……やっぱ、違うよな」
 小山を見上げながらボソッと呟いた。
 ──確か、この山は……
 ──『鳥の巣山』という名だったような……?
「違わねえ」
 黙りこくって『鳥の巣山』を見上げていた婆さんがいきなり口を開いた。
「な、なにっ! 道なんかねえぞ!」
「確かこの辺に……? ま、ええ、ついてこい!」
「バカ言え! オレ登山したことねえし……」
「そんな大袈裟な標高か! 5、6分で制覇できる」
「登ってどうするんだ?」
「あの娘がテッペンにいる」
「ウソつけ! こんな辺鄙(へんぴ)なとこにくるわけねえ、娘一人で……もう暗えしよお」
 いきなり婆さんにツナギの袖をつかまれた。前のめりに倒れそうになる。仕方なく婆さんに引っ張られるがまま足を前に運ぶ。
「もたもたするんでねえ、しっかりついてこい!」
 婆さんは血相を変え、藪をかき分けながら登り始めた。
「ちょっと待て、ゆっくり行こうぜ」
「それじゃ間に合わねえかもしれねえ、急げ!」
「ホントにいるのか、トキちゃん?」
「なんだ? オラ、ここにいるでねえか」
「バアさんじゃねえっつうの……」
「文句言ってねえで、急げ、ウスノロ!」
 さっきから婆さんの分けた枝がしなって顔を打つは、手がヒリヒリすると思えばどこで切ったのか両手とも切り傷だらけだ。傷を舐めながら進まぬ足を強引に前に運び続けた。
 婆さんの顔をよく見ると、まさに死に物狂い、いや何かに取り憑かれたように見える。人生の頂点を極めるぞ、と言わんばかりに。これにはコウスケも恐れ入った。
 ──まあ、人間夢中になれるものがあるのは、いい兆候かもしれん。
 なーんて(うそぶ)いてみても、
 ──所詮婆さんには敵わねえだろなあ……
 と諦め気分だ。
 ──それにしても、上になにがある?
「どこまで登るんだ?」
「あそこだ」
 婆さんが指差した方を見上げると、少しばかり開けた所に階段らしきものが見えた。
「あれ登んの?」
「そうだ」
 ほどなくして階段の下へ出た。振り返って見下ろすと、半分以上は登ってきた。辺りは既に薄暗い。もう一度階段を見上げる。長く急勾配な坂に、単に石を置いて段差を設えただけの石段が天まで突き抜けるかのようだ。多少開けたと言っても依然両側から藪が行く手を阻むのに違いはない。
「やれやれ……」
「早くこい! 時間がねえ!」
「そう急かすなって……」
 上に行くにつれ、一つひとつの段差がはっきりとして、より階段らしく見えてきた。
「もうすぐだ」
 婆さんには驚かされる。息も上がってない。こっちの心臓は今にも破裂しそうなくらい打っているのに。
 ──とんでもねえ年寄りだ!
 今更ながら感心する。
「ハアーッ、苦しい……ハアーッ……」
「情けねえ声出すな!」
 突然、婆さんはコウスケの手を取って階段を駆け上がり始めた。「あと少しだ!」
 婆さんに引っ張られ、仕方なく足を回転させ、転びそうになりながらも、やっとの思いで婆さんのスピードについて行った。
 息も絶え絶えに駆け上っていたら、婆さんの尻に顔をぶつけた。
「急に……止まるな……ハアーッ……」
 婆さんの後ろで両手を膝につき、肩で大きく呼吸を続ける。「バアさん……やっぱ心臓に……毛……生えとる……だろ……?」
「まあな、こっちゃこい」
「やっぱ、ケダモノか……」
 フラフラになりながら婆さんの横に並ぶ。
 目の前にやけに古びた、こじんまりとした山小屋が現れた。いたるとこにガタがきているようだ。築100年以上経っている雰囲気の佇まいだ。
 婆さんは山小屋に近づくと、体重をかけ渾身の力で引き戸を左に引いてみる。5センチほど開いたものの、それ以上は婆さんの力でもびくともしなかった。
 ──木が腐って摩擦が大きすぎるんだ。
 と最もらしい仮説をたててみた。が、口にはしない。笑われると恥ずかしい。
「木が腐ってやがる。ささくれ立って摩擦が大きいな、シャラクセー!」
 ──オレの仮説を盗作しやがって!
 腹立たしげに舌打ちすると、婆さんの背後に回る。
 戸の真ん中より上の方の縁に両手を差し入れ、持ち上げるようにガタガタ戸を揺らしながら引いてみた。婆さんも戸の下辺りを全体重をかけ、足を踏ん張った。ガリガリと木が剥がれる音とともに、戸は人が横向きに辛うじてすり抜けられるほどの隙間を開いた。
 最初に婆さんが中に入り、コウスケもあとに続く。
 中は真っ暗で何も見えない。ツナギのポケットからマッチを出して一本擦って火を点けた。それを方々にかざしてみる。
「かび臭えな。埃っぽいし……使われなくなって大分経ってるみてえだ。ここ、なんだ?」
「おめえの、家でねえか」
「こんなとこに住めるか!」
「おめえの将来の家が建つ場所だ」
「将来の家? こんな小山のテッペンに誰が家なんか建てるか!」
「おめえと煙は高えとこが好きだろ? おめえはお山の大将よ」
「オレは猿じゃねえ!」
「ま、猿に毛が生えたようなもんでねえか。いや違うな。おめえの毛はなくなるもの。猿以下だ」
「オレはハゲねえ! 絶対にあり得ねえ!」
「今に分かる、楽しみに待ってろ」
「あっち!」
 マッチの軸が短くなって指先を襲った。下に落として火を足で踏み消す。
「もう一本擦ってみろ」
 婆さんの要求通り、マッチを擦るとすぐに奪われた。婆さんは小屋の奥へ行き、木製の丸椅子を持ってきた。石油ランプが上に載っている。
「使えるのか?」
 婆さんはマッチの火をランプに移す。辺りがぱっと明るくなって、相変わらずの渋皮栗ババアの表情が明瞭に目に焼きついた。婆さんはマッチを吹き消し下に落とす。
「おめえ、なしてマッチ所有してる? 吐け!」
「取調べか?」
「タバコやめたんでねえのか?」
「やめたよ……なんで知ってんだ?」
「おめえが話してくれた、70年前」
「ああ、じいさんと勘違いか……ま、いいや。でもさっき買った」
「なして?」
「フラれたと思って、もうどうでもよくなってよ……」
「おめえ、タバコは小4から、酒は小6からだよな。それだけは早えんだ。女の方はからっきしだ。ガキだもんな……」
「黙れ! そんなこと……」
「おめえ、長生きしたけりゃ、タバコだけはやめな。ジイさんはきっぱりやめたんだ。死ぬまで吸わんかったのに……」
「大した意志の強さだな」
「まあな、オラが目光らしてたもの。滅多なこたできねえよ」
「かわいそうなジイさんだこと……蛇に睨まれた蛙か」
「それより今なん時だ?」
「えっと、3時。ん? そんなはずは……あれっ、止まってる! 今朝ネジ巻いたのに、故障か?」
 腕時計を耳に当て音を聞いてみた。
「おかしい?」
 時を刻む音が聞こえる。ちゃんと動いていた。さっき見た時は5時すぎだったはずだ。もう一度ネジを巻いてみる。すぐにいっぱいまで巻かれた。思わず首を捻った。
「いんや、故障でねえよ……お別れだ」
 婆さんが放った言葉の意味がよくつかめない。
「なに? 別れだ……?」
「別れの時間だ」
「どっか行くのか?」
「帰るんだ。多分な……」
「どこに?」
「自分の家だ」
「どこの?」
「ここだ」
「ここ? ここってどこ?」
「ここって、この場所だ」
「この山小屋のこと言ってんの? まさか……こんなとこに住んでるのか? 人間の住むとこじゃねえよ。頭どうかしちまったか?」
「心配してくれてんのか? オラ、大丈夫だ」
「よく分からねえバアさんだなあ……?」
 首を傾げながら婆さんの顔色をうかがう。「また消えるんじゃねえの……パッと。図星だろ?」
「さあな」
 婆さんは肩を竦め穏やかに笑う。「なあ……オラがいなくなっても、うまくやっていけっか?」
「あたぼうよ!」
 胸を張り、反っくり返る。
「そうか?」
 婆さんは訝しげにこちらの顔を覗き込んだ。「あの娘に捨てられるんじゃねえぞ! 浮気なんぞしてみろ、すっ飛んできて……」
「どうするんだ?」
「バカチン!」
「落ち込むことぬかすな!」
 一旦そっぽを向いたあと、すぐさま思い出したように先を続けた。「あっ、本当にこんなとこに現れるのか? トキちゃん……」
「もうすぐだ、ほれ」
 婆さんは小屋の戸の方へ視線を移し、顎をしゃくった。
 風が戸の隙間から中へ吹き込んでくる。建物がガタガタ揺れる。不思議なことに暖かな風だ。さっきまでの初冬の風の冷たさではなかった。
「なあ、あの娘のこと頼んだぞ。くれぐれも大切にしてやってくれ、この通りだ」
 婆さんは深々と頭を下げた。そのまましばらく下げ続けた。
「おい、しおらしいことを……気持ち悪いだろが! 似合わねえことすんな」
「人が真面目に話してんだ。真面目に聞け、コノヤロー、バカチン!」
 婆さんは舌打ちして顔を上げた。いつになく真剣な表情だ。
「わ、分かったって……」
「あの娘だけどよ、おめえや、おめえのお袋さんのこと、ちーっとばっかし誤解してるかもしれねえ。そこんとこ、おめえがよっく分かってやってほしいんだ。すぐに解けねえかもしれねえ。それでも気長に見守ってやってくれ。なーに、あの娘だってバカじゃねえ、いつか……長え年数かかるかもしれねえが、いつか分かってくれっから……人間ってそんなもんだろ?」
 婆さんはコウスケの両肩に手を添えてゆっくりとさすった。「おめえも、体には十分気をつけて達者に暮らすんだぞ、ええな?」
「お、おい! 今生の別れみてえなこと言うな。神妙な顔しやがって。やっぱおかしい、バアさんらしくねえよ」
「よっく聞け! ええか、あの娘はおめえにゾッコンだ。泣かすんじゃねえよ。おめえに、えれえ尽くしてくれっから、覚えとくんだぞ、分かったな」
 婆さんの口調は穏やかだった。薄ら笑みを浮かべている。
 婆さんの目を覗いた。婆さんはこちらを見上げる。コウスケが息苦しさを覚えるほど、その目は慈愛に満ちていた。
 突如、眩い閃光が小屋の中に差し込んできた。一瞬手をかざし顔を背ける。光は脈動を繰り返しながら次第に落ち着き、穏やかな温もりに変化して辺りを照らしている。
「なんだ、あの光は?」
「そろそろのようだな……」
「ヘリでも呼んだか? なんも聞こえねえけど……」
 耳に手を当ててみる。「そんなわけねえな……バアさんのことだ、手品でもするんだろう?」
「ま、そんなとこだ」
「やっぱしな。あんた天功の弟子……じゃねえ、師匠だな。もう行くのか?」
「世話になったな。おめえと過ごした時間、楽しかったぜ。オラの人生でこれほど愉快なこたあ今までなかった。あんがとよ」
「へへへ……テレるぜ。ま、なんと言うか、世話してやったぜ!」
「フンッ、減らず口たたきやがって……」
「ま、楽しかったぜ、オレも……」
「そうか? ずっといてやるぞ」
 婆さんはこちらに真顔を向けた。
「い、いやあ……」
 慌てて激しく首を横に振った。
「遠慮はいらねえ!」
 婆さんは迫る。
「遠慮はしてねえ!」
 きっぱりと言ったあと、深く頷いた。
「そうか、名残惜しいが、オラ行くよ」
 婆さんは寂しげな眼差しでこっちを見上げた。
「寂しくなるなあ……」
 殆ど反射的に口から漏れた。嬉しさのあまり、つい心にもないことを口走っただけだ。
 ──シマッタ!
 心の中で叫んで後悔する。
「やっぱ、いてやろう」
「け、けっこう! 悪いし……」
 どう取り繕おうかと頭を捻る。「そうだ! 孫にも会いてえだろう?」
「そうだけどよ……寂しかったらそう言え。オラが慰めてやっから」
「こ、怖えこと言うな!」
 婆さんはこちらへ歩み寄る。コウスケも婆さんの歩幅に合わせて後ずさった。と、婆さんはいきなりスピードを上げてあっという間にコウスケの目前まで迫ると、上目遣いでこちらを見つめる。頬を両手で覆った。嫌な予感が脳ミソを揺さぶった。背筋に悪寒が走る。
「抱いて」
 婆さんは目を閉じて、タコの吸口をコウスケに向かって突き出した。
「ウッ!」
 小さく叫んで、身を大きく後方になびかせた。このままでは後ろに倒れかねないので、右足を一歩引いて全体重を預けた。自ずと身は強張り、両足は床に張りついて思うように動かせない。尚も大ダコが迫りくる。コウスケは立ち尽くしたまま首だけを後方に引いて逃げる。
 突然、婆さんは目を開け、こっちをじっと見つめる。婆さんの肩が小刻みに震え出す。皺くちゃ顔が一層崩れ、どこが目か口か見つけられぬほど、皺と一体化した。かと思えば、牙を剥き出しにする。よくよく見れば入れ歯は入っていなかった。
「イーッヒッヒッヒッ……」
 婆さんは息を吸い込みながらひきつけを起こしたように笑った。皺の間から微かに光が漏れ、コウスケを射る。それが薄目を開けたのだと認めるのにしばらくの時間を要した。目を背けたいが、どういうわけかそれは叶わない。
 ──催眠術だろうか?
 ──それとも、怖いもの見たさのせいか?
 いずれにしても、とても人間の顔とは思えなかった。
「化け物……」
 コウスケの口から自ずと本音が漏れ出て、思わず両手をかざす。これ以上見るに堪えない。
「おめえ、大分慣れたようだな?」
 化け物はゆっくりと人の姿に戻った。
「お、驚かせやがって……冷汗かいたぜ、まったく……」
 ようやく体の力を抜いて手の甲で額の汗を拭った。
「今度こそ本当のお別れだ」
 婆さんは戸口の方へ足を向け数歩行って、こちらに背を向けたまままた立ち止まった。「二人で幸せになんな!」
「おう! あんがとよ。バアさんも元気でな。ま、言うまでもねえな、元気すぎるもんな……」
「バーカ……チン!」
 背を向けたまま指で弾く仕種をする。
「やめろ! 聞きたかねえ!」
「じゃあな」 
 相変わらず背中を見せたまま手を振りながらまた歩き出した。
「バアさんよ!」
「なんだ?」
 婆さんは足を止める。
 リーゼントを手櫛で整えると、右手の人差し指を婆さんに突き出した。左手はツナギのポケットに突っ込んだ。
「バアさん!」
 コウスケが叫ぶと婆さんは身を翻し、こちらに向き直った。
「なんの真似だ? 人を指差すんでねえよ……」
 呆けた面がこっちを見る。
 コウスケは人差し指をたたみ、親指を立て後方を指しながら顎もそちらにしゃくり上げた。
「トキちゃんの、なんなのさ?」
 婆さんは、しばらく無言のまま口を()いてキョトンとして目を瞬かせる。
「あた、あた、あた……」
「どっか痛えのか?」
 婆さんは顔をしかめ舌打ちすると、もう一度傍まで歩み寄ってきた。正面に立ち、しばらくこちらの顔を見上げる。徐に人差し指を立て、三度手前に折り曲げた。口角を吊り上げてニヤリと笑う。
「ちょっと耳貸せや」
 恐る恐る左耳を婆さんに向ける。
「なんだ?」
「もうちょこっと近う寄れや」
「こうか?」
 仕方なく婆さんの口元に耳を寄せる。しかし、かなり離れた位置で止めた。
「あのな、よく聞けよ」
 婆さんは小声になった。よく聞き取れないくらいの小さな声だ。
「なんだ?」
 コウスケも小声で返答した。が、婆さんは沈黙してしまった。「早く言えって……」
「あたしゃ……」
 婆さんは囁く。辛うじてコウスケの耳に声は届いた。
「うん」
 耳を澄まして頷く。
「あんたの……」
「うん」
 コウスケの耳に風音が聞こえた。
 ──なにか吸引音みたいだ。
 ──掃除機が唸っている。
 ──近くの民家で掃除を始めたのだろうか?
 ──そうか、師走だった!
 ──暮の大掃除をしてるのか。
 ──多分そうだ。
 と、まあそんなことを推測していたら、突如耳をつかまれ引っ張られた。あまりの痛さにその方向へなびくしか術はなかった。
ニョウボウ(女房)さー!」
 耳元で掃除機が逆噴射した。コウスケの耳の奥に空気の波が押し寄せ、鼓膜を激しく振動させた。
「コノヤロー! なにしやがる! ああ、ガンガン言ってる……」
 人差し指で左耳をほじくりながら何度も「わー!」と叫んで耳が聞こえているか試してみた。「ああ、ビックリした! 鼓膜破れたらどうするんだ! 今、なんて言った?」
「なんでもねえ。おめえ、今夜はしっかり決めな。ちゃんと渡すんだぞ、ええな!」
 ポケットに手を突っ込んで、ハッとした。
「あれっ、ない! オレ、どこに置いたんだっけ?」
「なにやってんだ、このトンマ! 肝心なモン忘れやがって!」
「ん? 屋台で……そうだ! オレ、バアさんに預けたぞ!」
「ありゃっ……? そうか、オラが持ってたのか?」
「ボケやがって……」
 ここぞとばかり、ニヤリと笑って仕返しをする。
「ま、そう言うな。ああ、危ねえ危ねえ、オラもらい損ねるとこだった……」
「バアさんが、なにをもらうんだ?」
「なんでもねえ。ホレ、手出せや」
 婆さんはモンペの左ポケットに手を突っ込むと、コウスケの左手にしっかり握らせてくれた。「あの娘にちゃんとはめてやるんだぞ、ええな!」
「分かってるって、任せとけ!」
 婆さんはこちらを見つめながら一瞬だけ笑顔を見せ、コウスケの肩をポンッと軽く叩いた。
「しっかりやれ!」
 婆さんは、くるりとコウスケに背を向け、手を振った。「あばよ!」
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