3 ✿ 西の忍者、お江戸漫遊

文字数 1,058文字

手荷物を受け取った萌栄たちは、リムジンバスで都心へと移動した。


黄色い鳩バスに乗って、都内めぐりに出る。

すげえ! 人がたくさんや

駅の入り口が何個もあるんやね!


あっちにも同じ名前の駅がある! 看板の色が違う? あれれ?

あれは、東京メトロ。地下鉄や
へぇ、地下鉄やっちゃ。じゃあ新幹線はどこに?
えっ、それは…分からん

新幹線はいつ宮崎に来てくれっとやろか

「そう言い続けて半世紀経った」って、うちのジィちゃんが言いよった。


少なくとも俺たちが生きてる間には来んやろ

陸の孤島、ばんざーい
その顔で言うな、無我

バスの中のおしゃべりは止まらない。


子ども達の表情は、溌剌としている。

せっかく都会に来たのに、皆さんったら、地元の話ばかり…。


うちが不便過ぎて、なんだか恥ずかしいですわ

そうかな。私は不便の方が好き。


人混みや時間に急かされるの、嫌だったもの

そういうものなのですか

うん。便利すぎて、ありがたさも忘れちゃう。

わたしは今の方が好き。時間の流れがゆっくりだもの

東京タワー、スカイツリー、浅草寺など、都内を順にめぐっていく。


午後3時本日最後の目的地にたどり着いた。

深川江戸資料館かぁ
いかにも「勉強せい」って感じの場所やな
忍学旅行やしな
子ども達は列をつくり、資料館へ入場する。

わあっ、江戸時代にタイムスリップしたみたい! こんなところがあるって知らなかった

長屋がたくさん…。忠実に再現されているのですね。

ニャア

どこからかネコの声が…
あっ。屋根の上にネコがいるわ! ロボットかしら
子どもたちは背伸びして、ネコをよく見ようとした。

見ろよ、でっけえ蔵がある。

ほんとやな。蔵といい、長屋といい、武家屋敷といい、江戸は建物が多かったんやなぁ。

そして江戸は火事も多かったんや。江戸のお城まで焼けたこともあるんじゃよ
付き添いの講師で、発の祖父、康次が近づいてそう話した。
焼けたら、お城も家も建て直さなきゃいけないね。大変だったろうなぁ
ん、そうや。江戸にはなぁ、大工がいっぱいおったそうや
大工が…。知らなかったです

当然、その中には、屋敷につけるからくりが得意な忍者もおったという話や。

タイムスリップして、その忍者さんに、うちのからくり屋敷を見てもらえたらなぁ。


案外、あっさり謎が解けたりして

そうやな、すぐに解いてくれるかもしれんなぁ

からくりが得意な、江戸の忍者が大活躍!


東方忍聞録 著:旭山リサ】


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深川江戸資料館 ホームページ】

 https://www.kcf.or.jp/fukagawa/

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登場人物紹介

日高萌栄 (ひだか・もえ


中学2年生、13才の少女。

カピバラをこよなく愛する。

重黒木 鋼じゅうくろぎ・はがね


中学2年生、13才の少年。機械いじりが得意。

椎葉 発(しいば はつ)


中学2年生、13才。

萌栄の友達。花火師の孫。

黒木 殿下(くろき でんか)


萌栄のライバル

那須 雨音(なす あまね)


殿下の友達。

黒木 媛(くろき ひめ)


殿下の妹

日高 結芽(ひだか ゆめ)


萌栄のお母さん

日高 地平(ひだか ちへい)


萌栄のお父さん

日高 雲水(ひだか うんすい)


萌栄の祖父

重黒木 功(じゅうくろぎ こう)


鋼のお父さん

重黒木 理玖 (じゅうくろぎ りく)


鋼のお母さん

椎葉 康次(しいば やすじ)


発の祖父。花火師

黒木 智子(くろき ともこ)


殿下、媛のお母さん。

黒木 未夏 (くろき みか)


クラスメイト

中武 陽(なかたけ はる)


クラスメイト

那須 貴也(なす たかや)


クラスメイト

那須 由子(なす ゆうこ)


クラスメイト

お殿様。


西方の里を治める、お殿様。

南朝の忠臣、その子孫。

忠平(ただひら)


お殿様が助けた忍者。

加藤清正に仕えていたが、毒殺の濡れ衣をかけられ、逃げてきた。

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