番外編短編・麹衣村のヲタク女子達
文字数 757文字
環奈と百合名は、教会の多目的室でガリガリとペンを走らせていた。
二人はこの麹衣村教会の者だったが、ヲタク女子だった。二人とも受け身で見ているのはつまらないという事で、漫画を書き始めていた。
今日も祈祷会が終わったら、二人でウンウン唸りながら、漫画のネームを作成していた。ネームとは漫画の下書きみたいもので、一見落書きだが、よく見ると台詞やモノローグがしっかり書かれていた。
「この展開は、もう少し早めにした方がいいと思うのよね」
そう言ったのは百合名。彼女もゲームヲタクで引きこもりだった。最近はようやく教会に来られるぐらいに元気になり、こうして環奈と一緒に漫画を描いていた。同じヲタクという事ですっかり気があい、すぐに二人は仲良しになった。
「でも、もっと絵が上手い子にアドバイスして貰いたいよね。百合名は誰か知らない?」
環奈はストーリーを作るのは好きだったが絵はあまり上手くなかった。
「知らない。あ、でも雲井のおばちゃんのところのお孫さんが今度遊びに来るんだって。絵が上手い子って噂らしい」
「本当?」
環奈の目がきらりと光った。雲井のおばちゃんは、ここの教会員で明るくて面白い人だ。孫もどんな子か気になった。
「どんな子か知りたいねー」
「ねー、麹衣村ヲタ女子会に入れちゃおう?」
百合名はニヤっと笑いながら呟いた。密かにそんな名前をつけて二人で活動していた。
「そうだね」
環奈は笑顔で頷いた。幻のような夢を見ていたが、やっぱり現実の世界の方がいい。
雲井の孫はどんな子だろう。会えたら、このヲタク活動に引き連れよう。そうじゃなくても仲良くしたいな。
この漫画も描くのは難しい。プロは凄すぎると思う。
自分は絵も全然上手く描けないし、背景一つとって見ても素人感溢れているが、そんな難しさがあるのも悪くないと思った。
二人はこの麹衣村教会の者だったが、ヲタク女子だった。二人とも受け身で見ているのはつまらないという事で、漫画を書き始めていた。
今日も祈祷会が終わったら、二人でウンウン唸りながら、漫画のネームを作成していた。ネームとは漫画の下書きみたいもので、一見落書きだが、よく見ると台詞やモノローグがしっかり書かれていた。
「この展開は、もう少し早めにした方がいいと思うのよね」
そう言ったのは百合名。彼女もゲームヲタクで引きこもりだった。最近はようやく教会に来られるぐらいに元気になり、こうして環奈と一緒に漫画を描いていた。同じヲタクという事ですっかり気があい、すぐに二人は仲良しになった。
「でも、もっと絵が上手い子にアドバイスして貰いたいよね。百合名は誰か知らない?」
環奈はストーリーを作るのは好きだったが絵はあまり上手くなかった。
「知らない。あ、でも雲井のおばちゃんのところのお孫さんが今度遊びに来るんだって。絵が上手い子って噂らしい」
「本当?」
環奈の目がきらりと光った。雲井のおばちゃんは、ここの教会員で明るくて面白い人だ。孫もどんな子か気になった。
「どんな子か知りたいねー」
「ねー、麹衣村ヲタ女子会に入れちゃおう?」
百合名はニヤっと笑いながら呟いた。密かにそんな名前をつけて二人で活動していた。
「そうだね」
環奈は笑顔で頷いた。幻のような夢を見ていたが、やっぱり現実の世界の方がいい。
雲井の孫はどんな子だろう。会えたら、このヲタク活動に引き連れよう。そうじゃなくても仲良くしたいな。
この漫画も描くのは難しい。プロは凄すぎると思う。
自分は絵も全然上手く描けないし、背景一つとって見ても素人感溢れているが、そんな難しさがあるのも悪くないと思った。
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