火消し婆

文字数 135文字



その少女は、路地の片隅で震えていた。
冬の寒気は、容赦なく少女の体温を奪い、『死』へと追い詰めて行く。
少女は寒さに耐えかね、売り物のマッチを擦った。
マッチの炎が少女を照らし出す。

シュッ
大粒の涙で炎は消えていた。
…世の中が憎い。全て消し去ってやる。

後の火消し婆である。
#呟怖
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