詩小説『おしくらまんじゅう、押されて泣いた』失恋した頭の中を。

エピソード文字数 725文字

おしくらまんじゅう、押されて泣いた

虚しさと、哀しみと、嘆きと、僻みの、
おしくらまんじゅう。

押されて泣いた。

悔しさと、憎しみと、怒りと、妬みの、
おしくらまんじゅう。

押されて泣いた。

頭ん中はもう、
整理もない、整頓もない。

はじめの掛け声に、
産声上げる感情。

こっちへおいでと、
手招きをする。

団子になって、狭い頭に、
集まりだす。

とめたところで、
聞いてやくれない。

感情に泣かされてんだ。

失望感と、罪悪感と、悲壮感と、五感の、
おしくらまんじゅう。

押されて泣いた。

過去と、未来と、現在と、空想の、
おしくらまんじゅう。

押されて泣いた。

感情は賑やかで、
どうも忙しい。

押し合いはじまると、
手をつけられない。

しわくちゃに、もみくちゃに、
むちゃくちゃに。

幸福はとっくの昔に、
押し出された。

いや、踏み潰されてんのか。
それじゃあ、どうすんだい?

現実に泣かされてんだ。

後悔も、嫉妬も、過ちも、プライドすらも、
おしくらまんじゅう。

押されて泣いた。

彼の瞳、その指先、笑顔、変な癖さえも、
おしくらまんじゅう。

押されて泣いた。

押し合い、揉み合いに、
疲れたなら。

その場に寝転んで、
休んでくれ。

そうすりゃ、いつかは、
冷めるから。

そん時は、あやすよ。
そんで、癒すよ。

そん時までは、
盛大にやりあえよ。

失恋に泣かされてんだから。

虚しさと、哀しみと、嘆きと、僻みの、
おしくらまんじゅう。

押されて泣いた。

悔しさと、憎しみと、怒り、妬みの、
おしくらまんじゅう。

押されて泣いた。

紛れて泣いた。

感情のおしくらまんじゅう。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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