あとがき

文字数 1,246文字

 最後まで物語をご覧いただきまして、ありがとうございます。書く側の人間として最後まで読み手の方の貴重な時間を費やして物語を読んでいただくことは感謝以外の何物でもございません。
 
 読む人の心を動かせる小説家を目指して奮闘中の東原そらです。
 
 夢は大きく、書籍化、映画化です。

 さて、今回のお話『somewhere,again~最後のピースがはまるとき~』はわたしが毎日Twitterに投稿している短文小説のアイデアが元となっております。
 
 それをまとめた短編集の『ショートカレー』にも掲載しておりますが、原文でここに再掲したいと思います。

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 題名『きっとどこかで』

 きっとどこかで、また……

 最後のデート、映画館の帰路で君は言った。

 夕陽が反射した君の雫を、俺は今も夢でみる。

 君と観た映画のリバイバル。

 想いにさよならしようと1900円を払う。

 重い扉を開く手がかち合う。

 目と目が触れると、君は言った。

「きっとどこかで、また会ったね」

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 いかがでしょうか。
 
 ラストは少々変更しておりますが、物語のベースは変更しておりません。

 この作品のテーマはずばり「再会」です。

 ヒロインの女性に最後の台詞を言わせたい。それが最初の着想ポイントでした。
 
 それでプロットに取りかかるわけですが。当初、夏帆には病気という設定はありませんでした。
 
 一颯も夏帆も、別れの後、普通に年を重ね、それぞれ別の人との恋愛を経験し、再会させるという、ごくありふれた物語になる予定でした。

 しかし却下しました。

 理由は単純に自分が読みたいと思わなかったからですね。

 今回は短編ではなく中編を描きたかったので、物語は三部構成にしたいというのは、当初から頭にありました。

 別れ→成長→再会とぼんやりとした流れはあったのですが、しかしこの成長という過程をどう物語にするかというところで非常に頭を悩ませました。

 一人称なのか三人称なのか、それだけで物語の展開も違ってきますし、下手に登場人物を増やしても読者の方が混乱する。

 そこで出て来たのが、夏帆を病気にする設定です。

 難病ものはありふれていますので、あまりその設定には逃げたくはなかったのですが、再会が最後にあるのなら、それを克服した姿を描けるのではないかと考え決断をしました。

 その結果、一颯による一人称→夏帆の独白→物語を締めくくる三人称と一応の流れは出来上がりました。

 さて、ここで物語にもう少し厚みをつけたいと考えて、一颯と夏帆の老後の物語も追加してみました。再会後のこの二人が、どのような人生を過ごしたのかは読者の皆様のご想像に委ねます。しかし、マスターやオーナーのような素敵な人生を送ってきたと、思っています。

 この物語はこれでおしまいですが、読んでいただいた皆様の記憶の片隅に少しでも残ることができれば、幸いです。

 それではまた、近いうちにお会いいたしましょう。
 東原そらでした。
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