第22話:フンシャル花祭パレード

文字数 1,651文字

 それを食べてみたが、ボソボソで美味しくない。「ボーロ・デ・カコ」の方がよっぽど美味しかったのでおかわりしたくらいだった。その後、デザートに茹でたサツマイモと薄く切ったサツマイモをバターで焼き少し焦げ目のあるデザートが出て来て、サツマイモのバター焼きがとても美味しかった。そして、口に合いますと言うと喜んでくれた。

 夕飯は、黒太刀魚を揚げたものがメインディッシュだと言った。見た目と違って、揚げるとふわっとしていて美味しいよと彼が言った。その後、今日は、花祭りの前夜祭で、これから子供達や地元の人達のパレードがあると話した。明日、明後日のパレードは観客が多いから朝8時頃までに会場沿いの場所取りをした方が良いと教えられた。

 遅れて行っても見やすい場所は、残っていないと教えてくれた。その話を聞いて、お礼を言い、部屋へ入った。一休みして前夜祭を見ようと言うので、タクシーを呼んでもらい出かけた。14時過ぎ、子供達が、綺麗な花を持ってのパレードで、みな同じ制服で実に可愛い。その後、美人さんと、その娘さんと思しき可愛い娘が沿道の観客に手を振る姿も写真に撮った。

 まとっている衣装がまた素晴らしく、印象に残った。その後、男女ペアが踊りながらパレードしているのを見たが、どうも同じ地域の人達で同じ衣装を着ていた。その他のグループも別の衣装を着て、美人さんとドレス、制服、踊りと素晴らし物だった。2時間くらい見て、宿に戻った。ホテルに戻り、夕飯に魚のフライにバナナがのっていた。

 野菜と芋が添えた料理が出て、昼にたべた「ボーロ・デ・カコ」をもらった。魚のフライは、黒太刀魚のグロテスクな顔、姿とは全く違い上品な味で上に乗った甘いバナナの付け合わせも実に合っていた。そして甘めのマディラワインも旨かった。この島はマディラワインと年に5回のお祭りに来てくれる観光客のお陰で潤っていると話していた。

 食後、部屋に戻り早めに床についた。翌4月27日は朝6時半におき、食事をとり8時に会場の大きな通りに行き、どこが良いか4人で話して決めて勇三が文庫本を持参してパレード開始の10時まで待つことにした。やがて10時になり、静香さんと両親がやってきて紙袋に「ボーロ・デ・カコ」と魚のフライを持って来たと告げた。

 勇三の敷いたシートの上に座った。雑談していると最初のパレードカーにのった赤いドレスの美女が花で飾られた車の上で手を振り、その他に2名の美女も乗って沿道の観客に笑顔で手を振ってくれ、多くのシャッター音がした。その後、若い男女のダンス・グループが躍動的なダンスを踊りながらパレードして大勢の観客の拍手をもらった。

 次、幼稚園と思しき可愛い男女の子供が全員、揃いの衣装に身を包み、沿道の観客に愛嬌を振りまいた。次、母と娘のグループが行進し観客に手を振り、実に可愛い光景。これなら世界中から人が集まる訳だと勇三は再認識。昼になり今度は赤や黄色、ピンク、紫色のスカートと多くの花をあしらった素敵な帽子に手には多くの花束を持った美人さん達が登場。

  その時、会場から大きな拍手が巻き起こった。その次の集団は同じ衣装の母と娘のパレードが続き多くのシャッター音がした。同じ色のドレスの小学生、中学生位の女性のパレードが続いた。その後に独特の踊りをしながらパレードをする一団が来た。その先頭の女性が、とびっきの美女で大きな拍手が鳴り響いた。とにかく、いろんな色の衣装が素晴らしいの一言。

 また美女の投げキッスには男性達はノックアウトされた。パーレードの車にのった美女は選ばれた美女であろうか、皆、とびっきりの美女で、その微笑みは天使のようだった。そうして、16時なり終了した。

 そしてホテルに帰り興奮冷めずに夕食を取りアルコール度数の高いポートワインを飲んで酔った。翌4月28日朝、少し酒が残ったがブラックコーヒーと「ボーロ・デ・カコ」で朝食をとり勇三が席の取りに8時、出て行った。10時頃に昼食を持って両親と静香さんがやってきた。
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