十四

文字数 141文字

十四
 忘れられない匂いとすれ違って僕は振り向いた。
 駅のホーム。女の人の香り。その後ろ姿はもちろん彼女ではない。彼女であるはずないのだ。
(もう一度、君に会えるなら僕は何だってする……)
 女性が階段を上って見えなくなっても、茨(いばら)に絡みつかれたように僕は動けなかった。
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