夜空
文字数 300文字
窓を開けて、夜の星空を見上げる。
賢太郎が亡くなってから、夜空を眺める余裕もなくなっていたように思う。
朝から土星の環が十五年ぶりに開くとニュースで騒いでいたが、それよりも俺には、どの星が賢太郎の欠片なのかを探し出すことのほうが興味深かった。
タバコを一本取り出し、ライターの火を点けた。
こうして煙を起こせば、賢太郎の星が流れてくるかもしれない。
そんな想像を膨らませながら、カットソーに隠れた黒革のペンダントを取り出す。
そこには、彼のおばあちゃんから形見としてもらい受けた、ハートのシルバーリングが通っている。それを指でもてあそぶように触れるとき、不思議と心が安らぐのを感じる。
賢太郎が亡くなってから、夜空を眺める余裕もなくなっていたように思う。
朝から土星の環が十五年ぶりに開くとニュースで騒いでいたが、それよりも俺には、どの星が賢太郎の欠片なのかを探し出すことのほうが興味深かった。
タバコを一本取り出し、ライターの火を点けた。
こうして煙を起こせば、賢太郎の星が流れてくるかもしれない。
そんな想像を膨らませながら、カットソーに隠れた黒革のペンダントを取り出す。
そこには、彼のおばあちゃんから形見としてもらい受けた、ハートのシルバーリングが通っている。それを指でもてあそぶように触れるとき、不思議と心が安らぐのを感じる。