連絡先
文字数 714文字
翌月曜日も暑い朝だった。ケンジがモップをかけていると、向こうから友子が近づいてきた。
「あ・・・、おはよう、ございます。」
今日は、ケンジから声をかけた。
少し疲れた顔をしていた友子だったが、ケンジの挨拶の声を聞いたらパッと表情を変え、いつもどおり礼儀正しい挨拶を返した。
「この間は、ありがとうございました。それと、あの、失礼なことを言って、ごめんなさい。」
友子はすっと頭を下げた。
「あ・・・、いや・・・、全然、いいっす。」
ケンジは頭をボリボリかいた。まだ少し胸は痛いが、それより、友子のいつもながらの明るさと礼儀正しさが嬉しかった。
友子が通り過ぎてすぐ、木崎が声をかけてきた。
「ケンジ、ケンジ。」
「あ、木崎さん。おはようございます。」
「ちょっと!」
木崎はケンジを廊下の端に引っぱった。
「なんスか?」
「お前、村川友子のこと、好きなんだろ!」
「え?」
ケンジはドギマギした。
「な・・・、なんスか、突然・・・。」
「隠すなよ。俺は何でもお見通しなんだよ!」
それから木崎は、友子の携帯電話の番号とアドレスをケンジに教えてやると言い出した。ケンジは躊躇したが、固辞できず、あっさりとデータはケンジの携帯に送信された。
「うまくやれよ!イッシッシ。」
ケンジは携帯をじっと見ていたが、パタンと閉じてポケットにしまいこんだ。
木崎が部屋に入ろうとすると、課長の加地が出てきた。
「あ、課長、おはようございます。どこに行くんですか?」
「おー、木崎。おはようさん。ちょっと、人事に呼ばれたんだ。行ってくる。」
「あ、そうですか。」
加地はエレベータには乗らず、階段を下りて人事課へ向かった。
「あ・・・、おはよう、ございます。」
今日は、ケンジから声をかけた。
少し疲れた顔をしていた友子だったが、ケンジの挨拶の声を聞いたらパッと表情を変え、いつもどおり礼儀正しい挨拶を返した。
「この間は、ありがとうございました。それと、あの、失礼なことを言って、ごめんなさい。」
友子はすっと頭を下げた。
「あ・・・、いや・・・、全然、いいっす。」
ケンジは頭をボリボリかいた。まだ少し胸は痛いが、それより、友子のいつもながらの明るさと礼儀正しさが嬉しかった。
友子が通り過ぎてすぐ、木崎が声をかけてきた。
「ケンジ、ケンジ。」
「あ、木崎さん。おはようございます。」
「ちょっと!」
木崎はケンジを廊下の端に引っぱった。
「なんスか?」
「お前、村川友子のこと、好きなんだろ!」
「え?」
ケンジはドギマギした。
「な・・・、なんスか、突然・・・。」
「隠すなよ。俺は何でもお見通しなんだよ!」
それから木崎は、友子の携帯電話の番号とアドレスをケンジに教えてやると言い出した。ケンジは躊躇したが、固辞できず、あっさりとデータはケンジの携帯に送信された。
「うまくやれよ!イッシッシ。」
ケンジは携帯をじっと見ていたが、パタンと閉じてポケットにしまいこんだ。
木崎が部屋に入ろうとすると、課長の加地が出てきた。
「あ、課長、おはようございます。どこに行くんですか?」
「おー、木崎。おはようさん。ちょっと、人事に呼ばれたんだ。行ってくる。」
「あ、そうですか。」
加地はエレベータには乗らず、階段を下りて人事課へ向かった。