第69話 次世代くねくね2

文字数 505文字

 なかなかヒドい怪異だと思う。
 初見殺しもいいところじゃないか。
 でもまあ、対策は知っていたから、怖かったけれど冷静に対処した。
 視界に入れず、無視する。
 スルースキルの問われるところだな。
 怨霊とか妖怪とかじゃないから、凝視さえしなければノーダメージ。
 話のわかるやつだ。
 だから、無視して家に戻って、それで終わりだと思っていた。

 実家から戻った翌日、狭苦しい学生アパートで目覚めて、枕側の窓の外に違和感を覚えた。
 ふと目をやると……。
 すりガラスじゃないな、なんて言うんだろう、窓の表面がデコボコしているからモザイクみたいに見える窓。
 その向こうに、白い何かが狂ったように激しく動いていた。
 え、なんで?

 ガラスの、たぶんすぐ前にいる。
 普通の窓だったら、自分はとっくに気が狂っていたに違いない。
 でもデコボコガラスのおかげで正体を見極められず、命拾いした。
 いや、死にはしないのか。

 くねくねの話は、見て気が狂うか、見ずに助かるかの二択だ。
 倒すとかお祓いするとか、そういう展開はない。
 だから途方に暮れるしかなかった。
 まさか田舎から都会のアパートまで追っかけてくるなんて、誰が予想できるっていうんだ。
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