第4話-完
文字数 453文字
そして、歳月が流れた・・・・・・
どうかおまえたち、
あの大蛇の、真女子のことを悪く思わんでほしい。
すべては至らぬこの私のせいなのだ。
私は真女子を、あるいは救えたかもしれぬ。それなのに・・・・・・
真女子の愛より深きものに、以来私は出会うておらぬ。
穴は、私の中の穴は、いよいよ深うなってしまった。
真女子だけが、塞ぐことができたかもしれぬ穴だった・・・・・・
今でも時折、真女子の顔容が脳裏に浮かぶ。
忘れようとしても、どうにも忘れられぬ・・・・・・
私の命は、間もなく尽きよう。
最後にそれをおまえたちに語っておくことができて、よかった。
本当に、よかった・・・・・・
私は蛇性の婬とやらに、
ともに溺れるべきであったのやもしれぬな・・・・・・
※オーディオドラマ(音声)版については、
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『雨月物語』蛇性の婬 最終話【オーディオドラマ/声劇】 - YouTube
YouTube版では、このあと、さらに続きが・・・・・・