第36話 マスカレード・レイヴ・曜変天目ナイト

文字数 7,590文字



アルティメット・ダンサー

 ビートに取り憑かれてハイになる。
 舞・舞・舞――台風も地球も銀河も踊り踊って、めぐりめぐる。
 回転と回天と快点と――。
 踊り踊り踊り疲れて、灰になる。
                DJK.キョウコ

二〇二五年七月二十六日 土曜日

 十日が経過した。
 不思議と、何気ない日常が過ぎていった。
 最後に天馬雅がアップした三輪教の動画以来、東伝会のU-Tubeチャンネルの更新は滞っている。コメント欄は、奇妙な秩序が保たれ、これも彌千香か十連歌か鬼兵隊か、秋葉の力が影で働いているとしか令司には思えなかった。
 今日は、京子と東京伝説研究会の残ったメンバーを会わせる日だ。
 直前になって、車中で天馬が言った。
「藪君なんですが……家が借金まみれで闇金融に追われてるって連絡がありました。外国に高飛びするそうです」
「えぇ……じゃ今日は?」
「僕たちに迷惑が掛かるからといって、もう連絡できないようなことを言って、藪君は電話を切ってしまいました」
「ほかに、何か言ってなかったか?」
「『アンダークラスに堕ちたくない』とか、言ってましたっけ。以後、電話が通じなくなりました」
 ついに夜逃げだ。このタイミングで。藪重太郎にあの後何が起こったのか。父親とは再会できたのか? 会社は? 入ると二度と出てこれないという、市川の「八幡の藪知らず」みたいに東京伝説に足を踏み入れ、出てこれなくなった。真相はやぶの中……。
「里実さんはどうなってるんだろう。古い付き合いの君から見て、どう思う?」
「まぁ今は引きこもりですけど、たぶん大丈夫なんじゃないでしょうか。里実さんはくノ一ですし」
「え?」
「あっいや―――」
 妙なことをいう。が、ものの例えか。オタクだから、くノ一のコスでもしているのかもしれない。
 結局、令司と天馬だけで渋谷鹿鳴館へ向かわざるをえない。令司は東伝会がバラバラになっていく絶望感を味わっている。我妻先生も呼べばよかったのだろうか。
「あの……とても言いにくいんですけど」
「ん?」
「今日って、会費とかってありましたっけ?」
 ロック鳴館。その名の威圧感に加えて上級都民の東京レイヴ・パーティだ。バイト生活の雅がビビるのも無理はない。
「そんなのないよ。俺たちは招待客だ」
「そうですか……よかった」
 天馬雅は、藪と同じく東山京子の実在に懐疑的だった。だからこそ会わせるのだ。京子によれば華族側も参加する。今宵、東京伝説の関係者が一堂に会する! そしてすべての謎が明らかになる。そこまでのレイヴ・パーティになるのか、行ってみないと分からないが。問題は、東伝会がもう二人しか残っていないということだ。

「いらっしゃ~い、令司さん」
 吹き抜け玄関ホールの天井から吊るされたミラーボールが回転し、青い光を放っている。煌びやかなレーザー光線がホールの壁面をなめている。ディスコと化していた。唖然……。こうしてみるとダンスホールとして十分な広さがあった。
 天馬雅は、東山京子の外見と顔つきを見てギョッとして固まっている。
 京子は、あの渋谷スパイダーで目撃した黒レザーのパンツとビキニ姿で出迎えた。二人は二重の衝撃を受けた。
 渋谷スパイダーで踊っていた彼女、そしてあの令司の見せた写真に写る八〇年前にとられたキョウコと思しき少女にそっくりだ。
「女性もいらっしゃったんですね……? 東伝会って。カワイイ」
 けばけばしい京子は大きな釣り目で、雅をじっと見ていった。
「いや……違う」
 令司は訂正した。
「すみません、男で」
「えっ男の人! まぁ」
 京子は小さな両手で口元を隠し、びっくりしてのけぞった。
 雅はずっと感心しながら、京子をまじまじと見つめている。
「そうだったんですね……。いや、やっぱそうだと思いました。うん、あの時荒木部長が君に襲い掛かって、君は銀色の玉で反撃して町中がパニックになった。君は、いやDJK.キョウコは、その時死んだはずで、僕らは確かにガードレールに倒れるキョウコを観たんです。それなのに何も報道されなくて、本当にどうなったのかと。やっぱ死んでなかったんですね!」
 雅は熱っぽくしゃべった。
「ん? 何混同してるんです?」
「おいおい雅君」
「―――え?」
「私じゃないですよ。DJK.キョウコは。私がこの格好したのは今が初めてです」
 京子はマスカラ強めで、あどけない眼を色っぽくカモフラージュしている。
「あ、そ、そうなんですか!?!」
 雅が勘違いするのも無理はない。令司だって最近まで勘違いしていたし、今だって見れば見るほど生き写しで、雅はパニックを起こしたらしい。
「生き返ったんだよな?」
 令司は言った。
「何を聴いていたんですか、もう! 令司さんまで。死んだふり……とかでも、再生能力が……でもなくて、DJK.キョウコわたしじゃないんですよ!」
「すまん――」
「つまりキョウコの振りをしてらっしゃる?」
「そうです。私は東山京子です」
 京子はニコニコとあいさつした。
 天馬は館内のあちこちをキョロキョロとみていた。
 完璧なディスコと化した渋谷ロック鳴館の玄関ホール。
 これが京子の答えだった。マスカレード・パーティは上級都民のお遊びだ。東山京子もまた、上級都民なのだ。
「令司君じゃん……」
 よく見ると京子の後ろに、里実萌都が立っていた。
「―――あれ、里実さん?」
「ホントだ、里実さん!」
 どっからどう見てもトランジスタ・グラマーの里実萌都だ! 間違えるはずがない。今日はメイドの格好をして、キョトンとして目の前に立っている。
「なぜここに。っていうか、君生きてたのか?」
「いえ……えぇ? あぁはい。―――言いそびれちゃったけど、そう」
「なぜ京子と一緒に居る? 確かニートになったはずじゃ」
 里実はメイドの格好をしていた。
「メイドカフェじゃーないよな、ここ」
「誰の話? メイドっていうか――、正確には家政婦(メイド)のバイトだよ」
「えっ、秋葉原のメイドカフェで働いてるんじゃなかったのか?」
「東大メイドとは言いましたケド」
 確かに秋葉のメイドカフェとは言ってなかった。が、昨今日本でメイドと言えばメイドカフェ店員を指す。
 まさか本物のメイドだったとは。それも東山京子邸で働いていた。そういえば秋葉のメイドのデザイン・コンセプトと全く異なって、ずいぶんとシックだ。だが里実が着るとなぜかコスプレっぽくなる。アニメのような凹凸の激しい体形のせいだろう。
「令司君が混乱するのも分かる気がするけどネ。でもあたしがキョウコのコスを作ったんだよ」
 里実は自慢気に微笑んだ。
 京子のコスをしたいというリクエストに、里実は秋葉のコス仲間の力を借りて手伝った。京子は「キョウコ」と顔のベースラインが全く同じなので、化粧や衣装で寸分たがわぬ完成度になったということである。
「だ、だよね―――」
「どうやら僕たちはあらぬ勘違いをしていたようですね」
「主に君だろう」
 とはいえ令司もギョッとして一瞬混同したのは事実だ。以前、同一人物でなくても双子と思ったのも無理はない。
「じゃ里実さんは、渋谷スパイダーのとき、里実さんはDJK.キョウコが彼女にそっくりだってことに気づいてたの?」
「うん。京子ちゃん似てるなぁって私も気づいてた、でも、巻き込みたくなくって」
「そういう事だったのか。やれやれ、脅かさないでくれよ! 秋葉の後に音信不通になったもんだから」
「メンゴメンゴ」
 軽い……。
「里実さんがコスしているの知ってて、それで秋葉と接点があるってちょっと前に聴きてたんです。それで確信したんです。レイヴの成功を」
 京子は言った。
「なんにせよ良かった。連絡するなっていうから、てっきりニートになったのかと思って」
 雅は微笑んだ。
「バイトと期末試験とレポート提出が重なって忙しくって、会どころじゃなくなっちゃったんだ。更新もしなくてゴメンね~。でも京子ちゃんの家庭教師が令司さんだって知って、こっちも驚いたよ~」
 前期教養学部は、七月十八日~三十一日の二週間が夏学期末試験期間である。
 多くの東大生は一年生の夏学期に、多数の授業を履修し、連日試験を幾つも受ける受験生の再来のような日々を送る。試験の代わりにレポート提出する授業もあるので、レポート作成も又忙しい。
 一年次に多数の単位取得に成功した二年生は、学生でありながら暇を持て余し、ニートのような日々を送る。令司は吾妻教授のレポートと少しの試験だけで終わり、東京伝説に奔走している。
 しかし里実は一年の時にさぼってあまり単位を取らなかった。そのせいで七月が大忙しだったわけだ。
 結局、里実と令司とはこの館ですれ違っていたことになる。部屋が多すぎて、同じ家に居ても気づかない。広い家あるあるだ。
 里実は東伝会の催しとは聞いてなかった。身内であっても隠す。それが京子の作戦なのだ。
 雅は終始、そわそわと落ち着かなかった。でも里実も居るので、いろいろと彼女に質問している。
「なるほど。これがコスプレとはな――」
「はい、コスプレです。ブラも普通のブラです。PM製じゃありません! だから言ったでしょう。これなら騙せる。だってこの格好なら、必ず影子さんが来たら本人だと思いますよ。キョウコは生きていると思わせ、そこで荒木部長と取引です」
 わずか一週間で仕上げてきた。里実恐るべし。
「なぜそんなに自分に自信が持てる? 頭の傷は治ったのか?」
「はい。傷が治って、じっと姿見を観ていた時に、私は初めて自分が美しいことに気が付いたのです」
 この間は、ずっと「見ないで」と言い続けていたのに。
「もっと多くの人に見てほしい。その気持ちがあふれてきたんです」
 京子……君は、美しい。
 京子は令司に自分の姿を見せつけているのだ。確かに美しい。さすがにヌーブラ風ではないが。
「この世に自分と似た顔の人って七人いるそうです。ひょっとしたらキョウコも、複数の人間がコスしているのかも。キョウコのコスプレって、ハロウィン以来流行ってるみたいですよ。そのうち誰かが本当に死んだのかもしれない。そして秋葉で幽霊になって出てきたとか?」
 恐ろしいことをさらっと言う。
「あるいはそのうちの一人は君か?」
「あはは、でも実は……実はですね、あたし、この恰好で昨日の夜コンビニに行ったり、一人で歩いてみたりしました」
「危ないことするなぁ。監視カメラにでも映ったりしたら」
「大丈夫ですって! ただ歩いてるだけなんですから♪ それ以上何もしてません。私以外にもキョウコ・コスの人観たことありますし。あ、港区にも行ってないですよ」
「ま、そうだよな」
「もう一度念押ししますけど、私に決闘なんてできる訳ありませんよ。一介の受験生なのに。ペンより重いモノ持ったことないんです。――と、いうのは『軽い』上級都民ジョークとして、むしろ、居合をしていた令司さんの方が百パーセント強いです。令司さんも、私と同じキョウコのコスプレをしている人を見たんですよ。きっと」
 だんだん気が抜けてきた。
 受験生なのにこんなことしてて大丈夫なのか。
 確かに、ハロウィンでは五人組のキョウコもいたと天馬が証言した。すべては二〇二四年の渋谷ハロウィンから始まっている。
 こんなにそっくりなら、もう今後は街を京子がこのまんま歩いていても全く見分けがつかないだろう。
「あのボールはどうする?」
「もちろん手品一択で。鉄球のイリュージョンなんかもネットで調べました。一週間、猛特訓したんですよ、ゴーストボールです。ホラ」
 いたずらっ子のような眼の京子は右手をかざし、プラスチック製の球をスーッ、スーッと操作した。
「本当だ」
 令司はゾッとする。
「確かにそんな感じでしたね」
 天馬は感心している。
「繰り返し動画見て勉強したんです」
 フェイクの鉄球は、さらに物理の法則に反するような動きをした。
「あ、そろそろレイヴの時間ですね。あちこちに宣伝しておきましたから、海老川雅弓さんのスパイさんや、小夜王純子さん、丁子さんも集まってくるかもしれません。お楽しみに!」
 宣伝方法は、ツブヤイターでピンポイント拡散したらしい。
「ますますヤバいじゃないか。海老川のデルタフォースまで? そんな危険なリスクは」
「もう遅いです」
(何を考えているんだ……)
「令司さんも着替えてください。あっ天馬雅さん? これはコスプレのし甲斐がありますね~♪」
 京子は雅の美貌をじっと見た。顔は髭なんか何処にも生えていないツルツルだ。
「ソーなのよ、この貌(かお)! この肌質! このスタイル!」
 里実はにやにやしている。
「このレイヴ・パーティ、上級都民も、部長も来るんですよね……。分かりました。里実さん、お願いします。がっつり僕を女装にしてください!」
 雅は青ざめた顔で言った。
「OッK~♪」
 今夜の雅は自ら率先して女装しようとしている。その表情から、不安に駆られ、内心震えているらしい。完全に素性を消したいのだろう。レイヴに誰が来るのか分からない以上、雅の気持ちは分かる。京子が堂々としすぎなのだ。
 京子と里実はキャイキャイ言いながら、化粧と衣装を手伝った。その結果、赤いワンピースの完璧な美少女が完成した。
 覆面コスの里実が受付に立ち、入り口でハンディ金属探知機で検査する。
 マスカレードは匿名予約制で、二百人もの客で玄関ホールは埋まった。
 狼男、ドラキュラ、ミイラ、ゾンビ、魔女、骸骨、蜘蛛、烏、ジェイソン、ナース、パイレーツ、忍者、スターウォーズに各種アニメのキャラクターたち、果ては古の邪神クトゥルーまで。素顔に近いコスプレーヤーは、必ずパピヨンマスクをつける決まりだ。
 フルマスクだと食事ができないので、だいたいがハーフマスクだった。けどド派手な荒木部長なら一発でバレバレだろう。だがそれらしき人物は見当たらない。本当に来るのかどうかも分からない。

「はじめましょう」
 DJK.キョウコの合図で、ロック鳴館「マスカレード・レイヴ・曜変天目ナイト」が始まった。
 ミラーボールが、宇宙をほうふつとさせる青い光をダンスホールに放射した。まさに曜変天目のように宇宙が輝いていた。
 EDM下でのコズミックダンス。総勢数百人の客がホール内を入り乱れて踊っている。
 京子の両手は、見事に宙に浮く鉄球を操作していた。
 京子の計画では、大ばくちの仕掛けに、上級都民、下級都民の区別なく集まっているはずだ。
 この中に、いろいろなグループが一堂に会しているに違いない。海老川たち、鬼兵隊、十連歌の一部、ひょっとすると秋葉武麗奴も。藪重太郎の父が参加する労働組合も来ている可能性も。その仮面の中で、荒木影子部長は必ず何か仕掛けてくるはずはずだ。
「令司君」
 令司は声をかけられた。
 その声はなんと、諸田江亜美だった。江亜美はシンプルなパピヨンマスクで、赤い口元が笑っている。
 慌てた令司は、カルーアミルクをコーヒー牛乳のように一気飲みして、江亜美に笑われた。
「DJK.キョウコのレイヴ……始めてきました。彼女の家に」
「いや、彼女は実は……」
 言わないほうがいいに決まっている。
「あ、パンダだ!」
 江亜美が指さすステージに、京子の姿はなく、DJ.サイバー・パンダが登場した。
「渋谷スパイダーで観た奴が」
「レンタル会社のDJサービスですよ。どこでも出張してくるの。うちの大学にも来たことありますよ」
 江亜美は言った。
「そうだったのか……」
 京子はそんなとこまで調べていたのだ。
 京子はダンスに専念し、京子リードの祈りダンスへと発展。最高峰に盛り上がった。
 気づけば小一時間が経過し、耳がグワングワンとうなっている。
 BGMタイムへ移行。
 ガラガラガラ!!
 京子が注文していたオードブルがホール中央に運び込まれた。
 山ほどの中華料理が長机の上に並べられていく。
 
 大皿のエビチリをつまんだ京子が、フォークを落として倒れた。
 キャアッ!!
「毒が!?」
「みんな、オードブルから離れるんだッ!」
 令司は叫んだ。
 料理に毒が仕込まれている。
 京子が毒を盛られてBGMが中断した。
 参加者は出口に殺到したが、ドアは施錠されている。
「鍵が開かない―――」
 ガチャガチャ!
「で、出られないぞ!」
 館の窓は鉄格子で固められている。外へは出られない。
「完全に閉じ込められた!」
 場内にパニックが起こった。
 すると、京子は目を覚まし、むっくりと起き上がった。
 ケロッとして立ち上がる。
「この場から動かないで下さい! マスカレードは中止いたします」
 死んではいなかったようだ。
 窓がガタガタと大きな音を立てて、建物全体が揺れている。
「嵐が来てます」
「そんな――今夜の予報は晴れのはずだ」
 と誰かが言った。
 令司がスマホを確認すると、台風が東京上空にいきなり出現している。
「台風じゃなくて爆弾低気圧だろう。台風なら北上してくる」
「しかし、このタイミングで?」
 雅が美人化粧のまま、口を開く。
「渋谷の真上で爆弾低気圧が発達してるみたい。嵐の影響で、この館の防災システムが作動しました。ドアはシステムの影響で施錠されています。皆さん、この建物を封鎖します! 今この建物は、私の許可なしには出られない。セキュリティ・ロックが作動しています。私が解除しない限り空きません」
「ちょっと、どーいう事よ、帰らせなさいよ! 駅まで近いし、地下鉄なら動いてるはずでしょ?」
「そうだ、タクシーだって呼べるし、送迎の車だって――」
「いいえ、犯人を突き止めるまでは、皆さんをここから出しません。ここに、オードブルに毒を盛った犯人がいる。おそらく、青酸カリです」
「じゃなぜ生きてるんだよ?」
「すぐ吐き出しました。仮面に隠れて、誰が犯人かは分からない。今のところは。しかし今この館の中に、私を殺そうとした人物がいる――」
「まるきり牢屋じゃないか!」
「かもしれませんけど、この家は人を食べる家なんです。私を守るために家が動く。――いざって時に」
「え!?」
 雅が戸惑っている。
「で、今がそのいざってときです。家全体がパニックルームです。私を守るために家が動きます」
「俺たちも安全ではないということか」
 やむなく、令司は声を潜めて訊いた。
『京子、君は、君の身体は本当に大丈夫なのか?』
『はい――危なかったですけど、飲み込んではいません。こっからです。犯人を特定するんです』
 一週間前に、東山京子は令司こそ探偵役だと言った。
『俺には誰が誰だかさっぱりだけど』
『私が探偵役を負いますヨ。もしも荒木さんが見つかったら、令司さんが、これは話し合いだって彼女に告げてくださいね』
 京子はすべての謎を解き明かす、というのだが――。
 荒木部長が見つかったところで、令司には部長を説得する自信もなかった。
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