楽屋トーク:クランクアップ(討死)の映え方いろいろ
文字数 1,098文字
ベンジャミン「おうお疲れ。三郎なにおまえ、すげーかっこよかった」(突つく)
フロ「てへっ」
ベン「あとミラ姉待ち?」
フロ「アリーちゃんも1スタです。あっちは長くかかりそう。たぶん巻三入る」
ベン「おけ」
ベン「あ、その給茶機気をつけて。なんかお茶っ葉?詰まっててお湯ぶしゃーっと出る」
フロ「うそ」
ベン「ほんと。スタッフさんに言っとかないとな」
フロ(作者さま以外にスタッフさんいるの?)
ベン「四郎もお疲れ」
クリストフ「どもです……」←メイクの血糊を取るのに忙しい
ベン「でもさっきの聞いてて思ったんだけど」
フロ「今井兼平センパイ絶賛でしょ?」
ベン「おれたちだってクランクアップのときけっこう派手だよな? 各自」
フロ「(うなずく)負けてないと思いますよ」
クリス「……」←血糊を取るのに忙しい
フロ「なんてったって武蔵さんの『立ち往生』! レジェンドじゃないすかー」
ベン「まあな(照れ)」
フロ「あれ痛そうだね?」
ベン「痛いよ?」
二人(空っぽだったわ……いまの会話……)
ベン「三郎も壮絶じゃん。左肩から右脇腹へ矢が貫通って」
フロ「(謙遜)あれはどっちかつーと教経さんの弓が凄すぎだったんで」
ベン「でもきれいに決まったよね、一本」
フロ「(ちょっと誇らしげ)まあね」
ベン「おれも一本がよかったなー」
フロ「そう?」
ベン「有効とか技ありとか百本くらい合わせて負けた感じだよ(嘆)」
クリス「……」←この間ずっと血糊を取るのに忙しい
ベン「まあでも四郎には負けるよな!」
クリス「へ?」←いきなり話題を振られて驚く
フロ「そうそう」
クリス「何の話?」
フロ「討死のときの(にやり)」
クリス「(赤面)やめて!!」
ベン「なに四郎、照れてんの?」
フロ「こいつその話されるの嫌いなんすよ」
クリス「……(真っ赤)」
フロ「まーあれだよ。ぜんぶ兼平センパイが悪いよ」
ベン「なにそれ。何のつながり」
フロ「だからね。四郎のクランクアップは『平家物語』にはなくて『義経記』じゃないすか」
ベン「だから?」
フロ「時代が二百年とか下って、話がどんどんどんどん派手になってくんですよ。むちゃくちゃエスカレート」
フロ「兼平センパイの『つらぬかってぞ失せにける』ていうの、あれかっこよすぎて流行っちゃって」
ベン「あーね」
フロ「兼平センパイ以降ふつうに腹切るとかのど突くとかじゃ足りなくて、つらぬかるの基本になっちゃって。その上どんだけ盛るかが勝負みたいな」
ベン「あーあれか。アイスでいうともうシングルとかダブルとかなくて基本トリプルからで、その上にフルーツとかソースとかどんどん」
フロ「そうそう」
クリス「人の切腹アイスと同じに語らないで」