15
文字数 384文字
「なあ。勇三の勉強もひと段落したんだし、またみんなでゲーセン行こうぜ」ようやく気を落ち着けた啓二が広基と輝彦に言う。「今度こそテルの斬鉄斎に勝ちてぇんだよ」
「気が向いたらな」と、輝彦は答えた。
サエはそんな男子たちのやりとりを尻目に、友香に向き直った。
「ねえ、今度の日曜日どっか行こうか。気分転換に」
「うん、いいよ……」
答える友香の表情がどこか浮かないのを見て、サエは眉根を寄せた。
「どうしたの?」
「うん、えっとね。サエはその……速水くんにちょっと厳しい、と思う」
口をとがらせながら俯く友香を見て、サエはつきそうになったため息を堪えなくてはならなかった。
それから机に肘をついて窓の外を見やると、呼気を吐き出すかわりにこう言った。
「いいんだよ。あいつには、あれくらい言っても。あれくらい言わなきゃ、わからないやつなんだから……」
雨はやや、その強さを増していった。
「気が向いたらな」と、輝彦は答えた。
サエはそんな男子たちのやりとりを尻目に、友香に向き直った。
「ねえ、今度の日曜日どっか行こうか。気分転換に」
「うん、いいよ……」
答える友香の表情がどこか浮かないのを見て、サエは眉根を寄せた。
「どうしたの?」
「うん、えっとね。サエはその……速水くんにちょっと厳しい、と思う」
口をとがらせながら俯く友香を見て、サエはつきそうになったため息を堪えなくてはならなかった。
それから机に肘をついて窓の外を見やると、呼気を吐き出すかわりにこう言った。
「いいんだよ。あいつには、あれくらい言っても。あれくらい言わなきゃ、わからないやつなんだから……」
雨はやや、その強さを増していった。