第9話 第2期最終回①『そこは地の果て調整区域』

文字数 1,107文字

上級特殊工作員候補の道を捨て、運営から逃げることにしたシナモンと仲間達。


その頃サンショウは運営側に寝返っていたが、最終的に脳機能研究センター矯正収容所送りになっていた。

サンショウのやつ、しくじったな

矯正収容所送りの前日、インナーバトルフィールドでサンショウからステルス・ドローンを託されたよ。

サンショウ、すごく後悔していた。

ねえねえ、行き先のことだけど、捕まって廃棄されて死骸化調整区域送りになるのなら、いっそこと先回りして調整区域に潜伏しない? 運営の裏をかくの。


そして落ち着いたら、サンショウを助けに行こうよ。

灯台下暗しか。シナモンさん、グッドアイデア。

死骸化調整区域ゲート・システムに干渉してみる。面白くなったきた……!

もう! ”さん” 付けやめてって言っているでしょ!

今まで通りにしてってば。

私もみんなと行く。運営のことは見限ったわ。

「州国の治安は君たちにかかっている、期待しているよ」なんて、運営の言葉にのせられていた自分が恥ずかしい。国債ポイントに釣られていた自分もあさましい。

えぇ!? そんなこと運営から1回も言われたことないぞ。


「勝手に判断するな、何様のつもりだ」「報連相(ホウレンソウ)が無い、何度言ったらわかるんだ」「やる気が無いなら帰れって言われて、本当に帰るヤツがいるか」


まず初対面で「おまえがリーダー!?」って、腹立つ。


ムカついたから、ユーカリの指示はしばらく無視したもんね。

カルダモンちゃんは、洗脳とは無縁みたい。カッコいい。


私最近、気持ちが晴れやかなの。

特待生になったとき国調省事務統括センター所長と取り交わした同意書(シコウテイシ)を破棄したら、洗脳が解けたみたい。もう頭痛はしないわ。

本土と死骸化調整区域の間に流れる巨大な『境川』。

スクラップ搬入ルートとなる37のゲート。


荒野の中、焼却炉と原子炉が並び人が住めるような場所でないと聞かされていた調整区域。

向かう先はそこでも、シナモン達の足取りは軽い。


勉強は苦手だけど、自分のスキルには自信がある。そして仲間達のスキルにも絶大な信頼がある。

このメンバーなら、どこへでも行けると信じている!

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ『境川』……か。
感傷に浸って一句詠んでいるところ悪いが、9番ゲートから侵入する。
ダイヤ改正(ヨミテツ)で11分45秒間9番ゲート解除。急いで。
ちょっと待ったー!
みんな、私に相談しないなんて、ひどいじゃない!
全員:先生、グリ君、来てくれたの!?

シナモン、ナツメグ、カルダモン、クローブ、そして男子チームのコウジ、ゴマ、ミリン、そしてサフラン先生とグリズリー君で9番ゲートを渡る。

境川を越えると、そこは地の果て調整区域。

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