カエルの受難
文字数 850文字
※Yahooニュースより転載
田んぼの持ち主に「カエルの鳴き声がうるさい」とクレームで炎上 2023.6.2
「夜眠れないから田んぼに毒薬を流したい」
カエルの騒音問題、地方自治体に届く驚きの相談 2023.6.5
※近隣住民が書いたとされる張り紙
「田んぼの持ち主様へ
カエルの鳴き声による騒音に毎年悩まされています。
鳴き声が煩くて眠ることができず非常に苦痛です。
騒音対策のご対応お願いします。
近隣住民より」
だあっ。あほか~~~~~~~!
カエルは稲を食うバッタなんかの害虫を食ってくれるのだから、いなくては困るのだ。こういうの小学校の授業で習わなかったか? それから田んぼに毒薬なんか絶対に流すんじゃねえよ。んな米、危なくて食えねえよ。
鳴き声がうるさいならお前が引っ越せ。田舎に来るな。てか、こんな奴はおれが車で拉致し、四方見渡す限り田んぼしかないド田舎の、その田んぼのど真ん中に放置してやる。ひと晩じゅう、カエルの鳴き声を浴びて狂い死ね。※冗談ですよ
こういうのは、秋になったら鈴虫の鳴き声がうるさいと苦情を言うのと同じ輩だろう。
ああ、ああ。
日本人はいつからこんな、「風情」「もののあわれ」を解せないあほうになったのであろう。
死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる
斎藤茂吉の歌の中でもかなり好きな一首である。15歳で東京の斎藤家へ養子に行った茂吉は大正2年5月、生母危篤のしらせを受けて故郷の山形に帰る。このとき齢31。死にゆく母のそばに寝る。周りを蛙(かはづ)の声が包んでいる。むかし自分が子供だったときもこうやって母と一緒に寝たのだ。それがいまや、母の御霊は蛙の声と共に天へ昇りゆこうとしている。「しんしんと」は短歌を詠むにあたり当てはめやすくて便利な擬態語と思うけれど、これほど哀切に響く使われ方をされている例はそうないのではないか。
くだんの張り紙をする人間に、この歌の良さがわっかるかなぁ?
わっかんねぇだろうなぁ。
サラダ混入の件といい、なぜだか、カエルばかりが目の敵にされている昨今である。
田んぼの持ち主に「カエルの鳴き声がうるさい」とクレームで炎上 2023.6.2
「夜眠れないから田んぼに毒薬を流したい」
カエルの騒音問題、地方自治体に届く驚きの相談 2023.6.5
※近隣住民が書いたとされる張り紙
「田んぼの持ち主様へ
カエルの鳴き声による騒音に毎年悩まされています。
鳴き声が煩くて眠ることができず非常に苦痛です。
騒音対策のご対応お願いします。
近隣住民より」
だあっ。あほか~~~~~~~!
カエルは稲を食うバッタなんかの害虫を食ってくれるのだから、いなくては困るのだ。こういうの小学校の授業で習わなかったか? それから田んぼに毒薬なんか絶対に流すんじゃねえよ。んな米、危なくて食えねえよ。
鳴き声がうるさいならお前が引っ越せ。田舎に来るな。てか、こんな奴はおれが車で拉致し、四方見渡す限り田んぼしかないド田舎の、その田んぼのど真ん中に放置してやる。ひと晩じゅう、カエルの鳴き声を浴びて狂い死ね。※冗談ですよ
こういうのは、秋になったら鈴虫の鳴き声がうるさいと苦情を言うのと同じ輩だろう。
ああ、ああ。
日本人はいつからこんな、「風情」「もののあわれ」を解せないあほうになったのであろう。
死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる
斎藤茂吉の歌の中でもかなり好きな一首である。15歳で東京の斎藤家へ養子に行った茂吉は大正2年5月、生母危篤のしらせを受けて故郷の山形に帰る。このとき齢31。死にゆく母のそばに寝る。周りを蛙(かはづ)の声が包んでいる。むかし自分が子供だったときもこうやって母と一緒に寝たのだ。それがいまや、母の御霊は蛙の声と共に天へ昇りゆこうとしている。「しんしんと」は短歌を詠むにあたり当てはめやすくて便利な擬態語と思うけれど、これほど哀切に響く使われ方をされている例はそうないのではないか。
くだんの張り紙をする人間に、この歌の良さがわっかるかなぁ?
わっかんねぇだろうなぁ。
サラダ混入の件といい、なぜだか、カエルばかりが目の敵にされている昨今である。
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