第35話 傷ついた魂
文字数 543文字
伸のやつれた姿を見て、行彦は、涙をこらえることが出来なかった。やはり自分のせいだ。
途中から、こうなることは薄々わかっていた。健康的で、一見、悩みなどなさそうに見えた伸は、会うたびにやつれて行った。
自分と愛を交わすたび、伸は弱って行く。このままでは、取り返しのつかないことになってしまう。
そう思いながら、伸を遠ざけることが出来なかった。
伸のことが好きで好きでたまらない。本当は、自分と同じ孤独と苦しみをを抱えた伸。
伸と出会ったのは偶然ではない。きっと、傷ついた魂同士が呼び合ったのだ。
伸のすべてがほしい。伸と一緒にいたい。出来ることなら、この先もずっと。
それが許されないことだと知りながら、自分を抑えることが出来なかった。それはもちろん、伸を強く愛しているから。
いや、それだけではない。僕は、一人ぼっちになりたくなかった。
伸と出会って、ようやく愛し合う喜びを知ったのに、再び、孤独に戻りたくなかった。愛する伸と別れて、終わりのない孤独の中に居続けなくてはならないことに耐えられなかったのだ。
「行彦、ごめん。なかなか来られなくて。ずっと会いたくてたまらなかった」
そう言うなり、唇が重なる。いけないと思いながら、体の奥が熱くとろける。
一度だけ。もう一度だけ……。
途中から、こうなることは薄々わかっていた。健康的で、一見、悩みなどなさそうに見えた伸は、会うたびにやつれて行った。
自分と愛を交わすたび、伸は弱って行く。このままでは、取り返しのつかないことになってしまう。
そう思いながら、伸を遠ざけることが出来なかった。
伸のことが好きで好きでたまらない。本当は、自分と同じ孤独と苦しみをを抱えた伸。
伸と出会ったのは偶然ではない。きっと、傷ついた魂同士が呼び合ったのだ。
伸のすべてがほしい。伸と一緒にいたい。出来ることなら、この先もずっと。
それが許されないことだと知りながら、自分を抑えることが出来なかった。それはもちろん、伸を強く愛しているから。
いや、それだけではない。僕は、一人ぼっちになりたくなかった。
伸と出会って、ようやく愛し合う喜びを知ったのに、再び、孤独に戻りたくなかった。愛する伸と別れて、終わりのない孤独の中に居続けなくてはならないことに耐えられなかったのだ。
「行彦、ごめん。なかなか来られなくて。ずっと会いたくてたまらなかった」
そう言うなり、唇が重なる。いけないと思いながら、体の奥が熱くとろける。
一度だけ。もう一度だけ……。