一言多い彼女

文字数 268文字

 進学のことを心配して下さってありがとうございます。私は、有馬高校へ行こうと思います。この地と共にあった刀根の家のことをくどくどと書いておいて何だと思われるかもしれませんが、出て行かないのが妥協の限界です。
 この先、檜皮さんがどうされるか私には想像もできませんが、お元気でいてください。
 個人的な見解を述べさせていただくなら。
 やってきたかと思ったらいきなり出て行ってしまう檜皮さんという人間は意味不明です。
 もうちょっと自分をしっかり持ってください。
                                  かしこ
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登場人物紹介

檜皮和洋(ひわだ かずひろ)

 父と共に不思議な力を秘めて流浪する少年。頭はそこそこ切れるが引っ込み思案で、自分も他の人も傷つけるまいという思いから、重大な決断からはつい逃げてしまう。

 しかし、追い詰められたときに発する力は、大気をも震撼させる。

樫井豹真(かしい ひょうま)

 超自然の力と屈折した思いを秘めた、小柄ではあるが危険な少年。冷酷非道に見えるが、心のうちには自分の力への誇りと、同じ力を持つ者たちへの熱い思いが秘められている。

刀根理子(とね りこ)

 冷淡な言葉の裏に、激しい上昇志向を秘めた少女。自分には厳しいが他人にも厳しく、年長者にも妥協しない。

 物静かだが。判断は早く、行動力にあふれている。時機を捉えれば、最小限の手間でやるべきことをやり遂げる

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