2 歴史学的説明図
文字数 839文字
長期的にみると、技術が進めば社会が変わり、
社会が変われば政策も変わり、
その政策がさらに次の技術開発を促す……という、
具体的には、生産・輸送・通信や軍事に関する科学・技術が発達すれば、
経済・社会活動が拡大すると共に複雑化・加速化するので、
それに応じて制度・政策も高度化し、巨大化と同時に分権化します。
政策の巨大化と分権化というのは、一見矛盾するように見えます。
でもそれは、必要とあれば大勢が動くが、それにあたっては、
より多く様々な人々が決定や改善に関われる、ということです。
歴史上、国家の統合が進み、
国際協調主義や
政治的民主化や経済の自由化、地方分権、様々な監査制度、
そして人権保障が発達してきたのは、その表れだと考えます。
そして、次なる科学・技術の研究・開発を促すのは政策です。
画期的な新技術の開発や普及には多くの資材や人材、資金を要し、
その傾向が著しいからです。
アメリカが情報革命に成功したのは、
アポロ計画や核戦争対策における
国家的な開発努力によるところが大きいと言われます。
しかし、多くの技術は物的資源に具現化されないと
社会を豊かにすることができません。
また、政策は人的資源を通じて実現されないと、
社会を健全に保ち、確立されることができません。
さらに、政策が新技術を開発・普及する際には、
自然・社会環境が制約・促進要因となります。
そのことは、大戦で日本が敗れた大きな理由(物資の不足)や、
民主的な憲法のもとで独裁者ヒトラーが生まれた原因
(民度[社会的な知識や政治的成熟度]の不足)、
英国の産業革命を助けた条件(原料、労働力、資本や市場の存在)
などに表れています。
しかし、失敗であれ成功であれ、これまでも先人が行ってきたように、
過去の経験から文明の
必ずや社会の繁栄に役立つと思います。