真夜中のドライブ(後編)
文字数 2,569文字
車内
そんなこと言って、結局は優越感に浸りたいだけだろうが
モスバーガー店内
食後……
1時間後……デルタのアパート前
玄関の鍵を開けるデルタ。
部屋は殺風景な6畳間。
机の上は原稿や文房具が散乱している。
お前の仏頂面が役に立ったなぁ。ありゃ、全く気づいてないぜ
それにしても……ククッ……よく言うぜ。なーにが『まあまあ、かな』だよ!……本当は、嫉妬で狂いそうだったくせに
まあ、絵はヒドイもんだった。小学生の落書きレベル。あれじゃあいつの兄貴が読む気しないってのも当たり前だ。だが……
ありゃ、天才ってやつだろうな
年に10作以上は描いて新人賞に応募しまくってるお前がバカみたいだな
ようやく認めたか。そうだ、お前に漫画家なんて百パーセント不可能だ。そんな金にならない挑戦をしている余裕なんてないと言っているだろうが
そうだ。性格が悪くて愛想も才能もない。しかも親がクズ。そういうどうしようもない人間なんだお前は
そんな女を憎むようなクズ。血は争えないな
……あ?
はあ?
……利用する気か
物は言いよう、だな。やはりお前は、クズだよ。あんないい子を利用しようなんてな