第29話 ナイペルクの苦悩
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私に対する皇帝のご様子も、全く普通だ。
仮にも皇帝だぞ? 皇帝が、臣下に接しているのだ。
……俺は、何を期待していたのだろう。
でもそうすると、あの親書は?
それを、俺は……、
なんて恐ろしい……、罪深い……
そのせいで、息子達の母親は、死んだようなものだ!
※ナイペルクが夫から奪って、自分の息子4人を産ませた伯爵夫人は、彼がマリー・ルイーゼについてパルマへ出発する直前に亡くなっている。
彼女への償いは、もうできない。
フランス語を学ぶ意欲の失せたフランツに、フランス語こそが
小説「ナポレオン2世 ライヒシュタット公」3章「"第九"と"魔王"」所収「魂の飛翔について1」~
小説のこの部分はフィクションです