第1話 ウィーン会議の頃
文字数 586文字
1813年、帝王ナポレオンは、ライプチヒの戦いに敗れた。
敵方の連合軍が、首都に侵攻してきた。皇妃マリー・ルイーゼは、幼い息子、ローマ王(フランツ)を連れて、パリを逃れた。
マリー・ルイーゼは、オーストリアの皇女だ。オーストリアの敗戦により、勝者ナポレオンに「売られた」のだ。
今、怪物ナポレオンの手を逃れた娘と孫を、オーストリア皇帝は、ウィーンのハプスブルク宮廷に引き取った。
おもてなしに、毎日、どこかで舞踏会や晩餐会が開かれている。
いろんな国の王や大使が集まって、この街は、なんて賑やかなんでしょう!
今日は日曜日。シェーンブルン宮殿庭園の、一般開放の日。
さて、私のお目当ては……。