雀の泉

文字数 543文字

黒猫の箱と白猫の箱、君ならどっちが欲しい?

えっと……

(どっちが正解か分かりゃしねえ)

大丈夫だよ、アラン君。
間違った箱を選んでも中からモンスターが出ては来ないから。
モンスターですか?
うん。
東の国の昔話なんだけどね、欲張って大きい方を選ぶと中からモンスターが沢山出て来るらしいよ?
成程、欲深さは罪と教える話ですか。
昔話ってのは、何かしらの教えが含まれているものだからね。
さて、選べなかったアラン君には、黒白両方の箱をプレゼント。
え、ありがとうございます。
この箱ね、横に並べると尻尾がハートマークになるんだ。
可愛いでしょ?
確かに。
(ハートみたいにはなってんな)
だから、元々両方あげるつもりだったんだよね。
因みに、中身は前に話した本と内容の解説。
妹に、アラン君が作品を気に入っていたことを伝えたら追加で送ってきた。
それ、結構な額じゃないですか?
本当に頂いてもよろしいのですか?
うん。
あの子はあの子で稼いでいるしね。
感想を一話一話レポートにしてくれればお礼になるし。
レポートですか。
そう、レポート。
僕も感想を返しているんだけどね、それがまた楽しいらしい。
はあ。
と言う訳で、アラン君の楽しい感想、期待しているからね。
そうして、アランの楽しみたいのにプレッシャーでいまいち楽しめない読書が始まった――
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登場人物紹介

ニコライ
ぶっとんだ猫好き

アラン
ニコライに振り回される雇われ

みゃーたん
ニコライに溺愛されるロシアンブルー。
つやっつや。

iCAT
猫三昧出来る素敵端末。
猫耳カバー付き。

ヴィエーリャ
 
ニコライの妹。
いわゆるギーク。

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