『夏』の裏で
文字数 2,454文字
小説なんて呼ぶにはおこがましい、
作文作品、『夏』。
夏シリーズは架空の話だが、所々ちょっと本当が混ざっている。
ほっこりショートコンテスト。
それに応募してみようかなーと思ったのが 『夏』を書いたきっかけだ。
ただ、私は小説めいたものを書いた経験がゼロだ。
マンガを描きまくっていた頃に、ちょっと書いてみようかなと思ったことはあったが、3行くらいでギブアップした。
なので、コレは自分の中の初の文章作品だ。
想像力の枯れ果てた私に書けるものなんて、実体験しかないと思っていた。
もっと私に文章力があれば書いてみたいものはあるが、書きたいものを自分が望む形にするには、経験や知識がなければならないということを今回学んだ。
書けない。
思いつかない。
とりあえず、ほっこりのコンテストなんだから、どうにか最後をほっこりまとめる話にしよう。
そこには私の経験からいけば、やはり私と親友のエピソードしかない気がした。
けれど私たちが実際にほっこりしたという記憶はない。
毎日、地味に面白いことを見つけ出しては二人にしか通用しないようなくだらない話をして毎日笑っていただけだ。
そこで急に思い出したのが、高校時代の私の思い出したくもない恋愛だ。
恋愛と言ってもいいのか?
数に入れてはならない気がして、私の記憶から抹消していたし、相手からも消し去りたい、これぞ駄作という思い出。
アレをもってくるか?
再び、あの記憶を脳に召還させるのか?
いやだー、いやだー。
そう思ったが、それしか思いつかなくてとりあえず書いた。
シリーズの登場人物の名前は全員、思いついたのを適当につけた。
ウエクサ カナの考えていたことはほとんど、今私があの頃の自分を振り返って思っていることだ。
あんなにひどい言葉ではないが、大筋で。
カナとサホは、私と親友とは全く違うキャラクターで、関係性だけが本当だ。
もちろん私はカナのような、誰もが認めるような美人でもないし、明るくもない。念のため言っておけば、願望でもない。流れだ。
親友も男っぽくもないし、小悪魔でもない。
私の中のカナのイメージはサラサラストレートのロングヘアだが、当時の私は西洋人かと思われたこともある、伸ばしていくとなぜか縦ロールになるクセ毛の持ち主だ。
違う。
これは全く私ではない。
ただ、私の思いをカナは代弁してくれた。
というわけで、オワリも存在する。
学祭で同じグループになったオワリに、二人でゴミ出しに行ったとき、告白をしたのは本当だ。
あぁ、本当に思い出したくもないし、不思議なことに、何を言ったのかも1ミリも覚えていない。
たいして好きだったわけではないのだ。
振られたから言うのではない。
カナの言った通り、本当に、ただ彼氏がほしかっただけなのだ。
青春したかったのだ。
ちょっといっしょに帰ったり、手紙を書いたりしたかっただけ。
恋愛ごっこをしたかっただけなのだ。
高校時代に好きだと思った人は、確実に1人もいない。
この人ならOKしてくれるだろうと思っただけだ。
失礼な告白だ。
オワリは結構本人に近い。
優しくて背も高いが、私にとっては面白くはない。
バドミントン部も本当だ。
当時は、ケータイなんて高校生が持ってない時代。
どーやって行くことになったのか?待ち合わせたのか?
全く覚えていないが、カナとオワリは行かなかった花火大会に、私はオワリと行った。
ただ、『行った』、という記憶しかない。
人がいなくなった後くらいまで座って話してた覚えはある。
話の中身は覚えていない。
つまり、本当に面白くなかったのだ。
ただ、彼氏がいるという状況が楽しかったんだと思う。
私が面白くなかったのと同様に、相手も面白くなかったのだろう。
あんまり覚えていないが、2週間くらいで終わった気がする。
しかも、手紙で。そのことだけは覚えている。
手紙もらった瞬間からなんかイヤな予感がした。
すぐに読めず、放課後、球技大会の卓球の練習をしに親友と友達(『ある日を拾って』の「解けないからくり」に出てくるメンバー)と3人でいる時に、2人が卓球をしているそばで読んだ。
恋愛ごっこを楽しんでいた私としては、好きかどうかは置いといて、とりあえず相手がいなくなったことにショックを受けて泣いた。
しかも、こんな手紙1枚で。
それがショックだったのかもしれない。
言われるより、文字として突きつけられ、ショック倍増。
いきなり泣いた私に親友はすぐ気づいて駆け寄ってきた。
青春だ。
青春劇場。
このことだけ覚えているということは、やっぱり私の中では親友と青春ごっこをしたかったのが本音ということなのだと思う。
親友はサホのようにイヤなことを言ったりもせず、私を励ましてくれていた。
親友がいたから立ち直れた。
というか、本物のダメージを受けたわけではないので、立ち直れるのは当然だ。
自力で立ち直れ。
今考えても、ちょっとも好きじゃなかったのだから、考えてみればオワリもいい迷惑だ。
早いとこ手をひきなさいよ、好きじゃないんだから、と、昔の私に言いたい。
好きって言ったのかもしれない。正確には、好きでもなければ嫌いでもないけど、言ったかどうかさえ覚えてない相手に「好きじゃなかったよ」と言う意味も機会もなくて、私はこの出来事を人生のモヤモヤとして長年、フタをしてきた。
この機会を利用して、私はやっと青春劇場を閉幕へ導くことができた気がする。
そんな私の恋愛ごっこも、3年生になり、クラスが別になると、オワリの『オ』の字も思い出さない状態となった。
当然だ。
好きじゃなかったのだから。
だから、願う。
オワリも私のことは好きじゃなかったのだから、頭の片隅にさえ私との記憶が残っていませんように、と。
私の書いた手紙なんて、絶対に細かく破いて捨てておいてくれないと困る。
1日もかからず、ちょちょっと書き上がった『夏』を見て、うーーーん、コレか~。ほっこりしない。と思ったけれど、まぁ、今の私にはこのくらいのものしか書けないしな、と、開き直り、完結させた。
そして、コレを機に、私は再び妄想の世界へと引き込まれていくのであった。
作文作品、『夏』。
夏シリーズは架空の話だが、所々ちょっと本当が混ざっている。
ほっこりショートコンテスト。
それに応募してみようかなーと思ったのが 『夏』を書いたきっかけだ。
ただ、私は小説めいたものを書いた経験がゼロだ。
マンガを描きまくっていた頃に、ちょっと書いてみようかなと思ったことはあったが、3行くらいでギブアップした。
なので、コレは自分の中の初の文章作品だ。
想像力の枯れ果てた私に書けるものなんて、実体験しかないと思っていた。
もっと私に文章力があれば書いてみたいものはあるが、書きたいものを自分が望む形にするには、経験や知識がなければならないということを今回学んだ。
書けない。
思いつかない。
とりあえず、ほっこりのコンテストなんだから、どうにか最後をほっこりまとめる話にしよう。
そこには私の経験からいけば、やはり私と親友のエピソードしかない気がした。
けれど私たちが実際にほっこりしたという記憶はない。
毎日、地味に面白いことを見つけ出しては二人にしか通用しないようなくだらない話をして毎日笑っていただけだ。
そこで急に思い出したのが、高校時代の私の思い出したくもない恋愛だ。
恋愛と言ってもいいのか?
数に入れてはならない気がして、私の記憶から抹消していたし、相手からも消し去りたい、これぞ駄作という思い出。
アレをもってくるか?
再び、あの記憶を脳に召還させるのか?
いやだー、いやだー。
そう思ったが、それしか思いつかなくてとりあえず書いた。
シリーズの登場人物の名前は全員、思いついたのを適当につけた。
ウエクサ カナの考えていたことはほとんど、今私があの頃の自分を振り返って思っていることだ。
あんなにひどい言葉ではないが、大筋で。
カナとサホは、私と親友とは全く違うキャラクターで、関係性だけが本当だ。
もちろん私はカナのような、誰もが認めるような美人でもないし、明るくもない。念のため言っておけば、願望でもない。流れだ。
親友も男っぽくもないし、小悪魔でもない。
私の中のカナのイメージはサラサラストレートのロングヘアだが、当時の私は西洋人かと思われたこともある、伸ばしていくとなぜか縦ロールになるクセ毛の持ち主だ。
違う。
これは全く私ではない。
ただ、私の思いをカナは代弁してくれた。
というわけで、オワリも存在する。
学祭で同じグループになったオワリに、二人でゴミ出しに行ったとき、告白をしたのは本当だ。
あぁ、本当に思い出したくもないし、不思議なことに、何を言ったのかも1ミリも覚えていない。
たいして好きだったわけではないのだ。
振られたから言うのではない。
カナの言った通り、本当に、ただ彼氏がほしかっただけなのだ。
青春したかったのだ。
ちょっといっしょに帰ったり、手紙を書いたりしたかっただけ。
恋愛ごっこをしたかっただけなのだ。
高校時代に好きだと思った人は、確実に1人もいない。
この人ならOKしてくれるだろうと思っただけだ。
失礼な告白だ。
オワリは結構本人に近い。
優しくて背も高いが、私にとっては面白くはない。
バドミントン部も本当だ。
当時は、ケータイなんて高校生が持ってない時代。
どーやって行くことになったのか?待ち合わせたのか?
全く覚えていないが、カナとオワリは行かなかった花火大会に、私はオワリと行った。
ただ、『行った』、という記憶しかない。
人がいなくなった後くらいまで座って話してた覚えはある。
話の中身は覚えていない。
つまり、本当に面白くなかったのだ。
ただ、彼氏がいるという状況が楽しかったんだと思う。
私が面白くなかったのと同様に、相手も面白くなかったのだろう。
あんまり覚えていないが、2週間くらいで終わった気がする。
しかも、手紙で。そのことだけは覚えている。
手紙もらった瞬間からなんかイヤな予感がした。
すぐに読めず、放課後、球技大会の卓球の練習をしに親友と友達(『ある日を拾って』の「解けないからくり」に出てくるメンバー)と3人でいる時に、2人が卓球をしているそばで読んだ。
恋愛ごっこを楽しんでいた私としては、好きかどうかは置いといて、とりあえず相手がいなくなったことにショックを受けて泣いた。
しかも、こんな手紙1枚で。
それがショックだったのかもしれない。
言われるより、文字として突きつけられ、ショック倍増。
いきなり泣いた私に親友はすぐ気づいて駆け寄ってきた。
青春だ。
青春劇場。
このことだけ覚えているということは、やっぱり私の中では親友と青春ごっこをしたかったのが本音ということなのだと思う。
親友はサホのようにイヤなことを言ったりもせず、私を励ましてくれていた。
親友がいたから立ち直れた。
というか、本物のダメージを受けたわけではないので、立ち直れるのは当然だ。
自力で立ち直れ。
今考えても、ちょっとも好きじゃなかったのだから、考えてみればオワリもいい迷惑だ。
早いとこ手をひきなさいよ、好きじゃないんだから、と、昔の私に言いたい。
好きって言ったのかもしれない。正確には、好きでもなければ嫌いでもないけど、言ったかどうかさえ覚えてない相手に「好きじゃなかったよ」と言う意味も機会もなくて、私はこの出来事を人生のモヤモヤとして長年、フタをしてきた。
この機会を利用して、私はやっと青春劇場を閉幕へ導くことができた気がする。
そんな私の恋愛ごっこも、3年生になり、クラスが別になると、オワリの『オ』の字も思い出さない状態となった。
当然だ。
好きじゃなかったのだから。
だから、願う。
オワリも私のことは好きじゃなかったのだから、頭の片隅にさえ私との記憶が残っていませんように、と。
私の書いた手紙なんて、絶対に細かく破いて捨てておいてくれないと困る。
1日もかからず、ちょちょっと書き上がった『夏』を見て、うーーーん、コレか~。ほっこりしない。と思ったけれど、まぁ、今の私にはこのくらいのものしか書けないしな、と、開き直り、完結させた。
そして、コレを機に、私は再び妄想の世界へと引き込まれていくのであった。