太上老君《作者注◉房中術、それはいわば東洋の性魔術(いいすぎ?)》

文字数 1,222文字

いや、さすがにワシとて
どれほど『観たい』という気持ちが高まろうと
部下の夫婦生活まで覗こうなんて思わんわいなぁ

自由気ままが信条とはいえ道を外れるわけがない
(ダルマ)の方は領域が違うとはいえ……の


にしてもだ、思った以上に早くくっついたものだよなぁ
お節介を焼きたかったわけではないのだが
こうも相性の良き男女であろうとは予想を超えた

さて夫婦になりては男女の交合
仙同士のそれであれば、それは房中術であり

互いに、とくに女性(にょしょう)烏丸のほうは
高く高く存在の位階も引き上げられよう

どちらにせよ、奴らは本人たちは知らぬとはいえ
天界仙界おける将来の幹部候補生のような……

いや、それ以上の存在に、神格になることさえ、ワシは期待しておるでの

至天に近ずく神仙足りうる者がキリストへの信仰をもっている
この状況、絶対に必要になってくると思うのだよにゃあ



いずれにせよ、後漢終わりの黄巾党のごとき宗教否定論者
そんな輩が支配の椅子に寄り添う苦難、苦境に立ちし我らが中華文明圏

そして
見えぬモノを真に信じうる者たちこそが、
世界の亀裂を修復し得ようよ


そしてその方面での現在の最大最強勢力、でありながら、
極一部の馬鹿どもによる腐敗に苦しむキリスト教カトリック

そして北の大地ロシア東欧において我ら以上の苦難をうけ、
ようやく立ち直りつつあるキリスト教正教会

彼ら彼女らの復活劇は、必ずや道教復興にも活かせうるはずに違いなく


悔しいが、あやつらが信じているはずのイエス・キリストなる聖人
どうやら実在、真実のどちらの言葉でも通じる
『実』のある存在であることは確からしいからなぁ

『旧約聖書』『新約聖書』ともに立ち昇る神気はケタ違いではあるし

まぁ、さすがに至尊全能を名乗られるのは、
他宗教の神格としてはキツイものがあるが……

どちらにせよ我、
太上老君は伝説が形を成した(モノ)
といえば格好はつくが
昔いた老子という名の常人の上に
……言ってしまえば、空想を盛りに盛った存在にすぎぬでの


はてさて

永世長命の仙人でありながら、
やつらのいうところの『復活』後の『永遠』をも希求する天佑と烏丸

普通に考えれば、わけがわからない
仙であるのだから、その報酬(・・)には意味がない

何考えてるいるのだか、ワシの理解を外れた立ち位置にいる二人
希で貴重な人材であることは間違いなし


世の不思議を否定したがる、浅い達観もどきの人類が増えつつある現代
嘆かわしい、どれだけの宗教や思想が生き残っていけるのか
そんな時代で、どのような未来を手繰り寄せることができようか

運良く手の内に転がり込んだ変わり者男女
牛魔王の妾の子 天佑と、日本剣術仙 柳生烏丸
本来なら仙になぞならぬはずのキリスト教徒、

有効利用せねば、損そん損


どちらにせよ、保険は多い方が良かろうよ




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登場人物紹介

柳生烏丸(やぎゅう からすまる)


ヒロイン


柳生剣士でありながら女仙


キリスト教 正教会信徒


詳細は後日

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