24 デビルラフレシアの腹ごしらえ
文字数 2,524文字
お花のお城に竜巻が舞い上がり、アリスとモンキはデビルラフレシアの葉に乗ったまま上に巻き上げられていった。
数秒もしないうちに、お花のお城はアリスたちのはるか下に消えていき、アリスはまるで雲の上にでも乗っているかのような気分になった。
アリスは、デビルラフレシアに言われて、ようやく目を下にやった。
お花のお城は、もうミニチュアのお城にしか見えなかった。
その瞬間、アリスは突拍子もなく笑った。
アリスは、そう感心すると、もう一度下を見た。
お花のお城は進行方向のはるか後ろに消えていた。
だが、モンキの暮らしていたサル山が、いつまで経っても見えてこなかった。
1秒も経たないうちにデビルラフレシアから言葉が返ってきて、アリスは思わず震え上がった。
つまり、この竜巻の行先はお菓子のお城、ではない、ということだった。
そう、サルの言う通り。
それと、さっきお菓子のお城から取ってきたお菓子は、一緒に動いているラフレシア連中がみんな食っちまったから、お前らにやる分はない。
つまり、これから行くところで、自力で食べないといけないというわけだ。
1.豪華な松花堂弁当
2.世界の三大珍味が乗ったピザ
3.最高級A5ランクの牛肉ステーキ
4.モンキの丸焼き
モンキは、デビルラフレシアの葉の上でじたばたし始めた。
それに気付いたのか、デビルラフレシアの目がモンキに向けられる。
モンキは、右の人差し指を下に向けて、何度か念を押すように下に動かした。
数秒経って、ようやくアリスも背筋の凍るような表情に変わった。
もちろん、こんな高いところから海にダイブすれば、とてもイルカを狩るような状況にはなれない。そうかと言って、デビルラフレシアの手からうまく下降気流に乗って、安全に海まで降りるのは技術がいる。
そこまで考えたとき、アリスの頭の中で何かがひらめいた。
デビルラフレシアがそう言うと、アリスの足下で感じていた激しい力が急激に弱くなり、重力とも言えるようなスピードで落下し始めた。
重力と違う点は、この落下がデビルラフレシア自身の動きということだ。
葉の上に乗るアリスとモンキは、エレベーターの床のようなところに乗っているのに等しかった。
それでも、落下するアリスは、吸い込まれるような空気を感じた。