オレのつぶやき9

文字数 413文字

 カーテンは半分程しか開けられていなかった。それでも十分、ここからもそして恐らく隣のビルからもステージがよく見えたのではないだろうか。
 武が登場する前、男達一〇名が隣のビルに向かっていった。五人がビルの下に陣取り、残り五人が中に入っていった。数分後には青いビニールシートに包まれた何かを担いで出てきた。武の話から想像すると、それが殺し屋だったのだろう。
 星壱は武との騙し合いに見事に破れた。役者の違いが見事に出た。これで武は邪魔者の排除に成功した。でも不思議だった。星壱は確実に始末されると思ったからだ。ところが星壱は指を詰められて屋敷から放り出された。星壱の憎しみに満ちた顔、いつか復讐してやるぞと言わんばかりだった。
 武は星壱を殺すつもりだったと思う。誰かが武に翻意を促したのだろうか。だとすれば恐らく元子しかいないだろう。よく武を説得できたものだ。
 はたして『星龍会』で一番の役者は誰なのだろうか。
 
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