第2話

文字数 345文字

一目惚れでした。
あなたを見て。恋をしたのです。余命わずかな私は。凪さん、あなたに。
私はどうしたら死んだ後も凪さんに愛してもらえるか考えました。

私は思いました。あなたに私を刻みつければいいと。私は所詮天才と呼ばれる頭脳を持っていた。
これほどまでにスケールの大きい嘘をつきまくったのははじめてです。

でも、すべてあなたにずっと愛してもらうため。
いつかきっと、凪さんはほんとうの私を見つけ出してくれる。嘘の中から。でもべつに、ほんとうの私を見つけなくてもいい。
だってそのほうがいつも私のことを考えてくれるから。

あなたは私を好きだし、私もあなたが好き。その状態で「好き」と言葉を遺したら、あなたは私に囚われてくれる。

ああ凪さん、私のこと、一生考えて、愛して、わすれないでね。
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